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第20回(2019年度)実施記録

第20回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。

各賞

最終審査委員会による厳正な審査の結果、第20回日経STOCKリーグの各賞およびNOMURA Award(特別賞)が決定しました。
※ レポート(PDF)に掲載されている個人情報および著作権の対象となる文書・画像等を一部非表示にしています。ご了承ください。

最優秀賞

最優秀賞

東京大学 3年

THE CONFIDENT COMPANY(2,663KB)

【メンバー】
大箸 祐太、伊藤 秀太、松田 和泉、太田 真輝

【ポートフォリオ】
長谷工コーポレーション、三機工業、SBSホールディングス、サーラコーポレーション、三越伊勢丹ホールディングス、東急不動産ホールディングス、帝人、積水化学工業、ダイジェット工業、ダイキン工業、富士電機、トヨタ自動車、コーナン商事、イオン、ANAホールディングス、ソフトバンクグループ、アヤラ・コーポレーション、ベトナム・デイリー・プロダクツ、和碩聯合科技、SK

【審査委員講評】
自信を持ち、時代の流れを読み、弊害を乗り越える組織を持っている企業を「Confident Company」と呼んで投資を行う。まず、会計数値、リスク管理能力、会計の保守性、株主による外部からのモニタリング能力を測定、さらに経営者の自信を測定して、最適ポートフォリオの選別を行っている。アジア300対象企業と日本企業を別々にスクリーニングし、TOPIXやNIKKEI225を若干、下回っているが、長期的視点からは下方リスクが小さい株式の選別となっている。膨大なデータを計量分析しており、力作である。アジア株を投資対象として考える場合には、人口成長率やCountry Riskなども考慮する必要がある。

部門優秀賞

部門優秀賞・中学部門

筑波大学附属駒場中学校 3年

未来の農業
~農業を再興し、発展させ、成長産業へ~(2,929KB)

【メンバー】
大山 弘翔、廣瀬 貞雄、大藤 暖之、池田 淳一郎、高橋 聖

【ポートフォリオ】
大成建設、大林組、鹿島建設、大和ハウス工業、セブン&アイホールディングス、大和コンピュータ、王子ホールディングス、昭和電工、クボタ、パナソニック、デンソー、ヤマハ発動機、東京計器、キヤノン電子、マミヤ・オーピー、丸紅、キヤノンマーケティグジャパン、KDDI、NTTドコモ

【審査委員講評】
「斜陽産業である農業を成長産業」に変えるという強い思いが伝わってくる。力強さの源は、農業のあり方にイノベーションを吹き込もうとしている企業を実際に訪問して経営トップや技術者から直接話を聞き、若い感性で日本の農業の課題を具体的に感じとったことにあったと思う。企業へのアンケートも、だからこそ生きている。また、中学生にしてポートフォリオ理論を用いている点にも驚いた。高校生、大学生となった時にどんなレポートを書いてくれるのか、今から実に楽しみだ。

部門優秀賞

部門優秀賞・高校部門

福井県立高志高等学校 2年

#速い! #安い!! #廃炉!!!(3,095KB)

【メンバー】
橋本 研人、戸川 賢太郎、長谷川 亮太、山本 格由

【ポートフォリオ】
清水建設、鹿島建設、東芝プラントシステム、東洋紡、太平洋セメント、ニチアス、古河機械金属、古河電気工業、住友電気工業、コマツ、日立製作所、三菱電機、富士電機、堀場製作所、三菱重工業、東京電力ホールディングス、関西電力、東北電力、四国電力、九州電力

【審査委員講評】
多くの原発が立地する福井県に暮らす高校生が、原発という難しい問題に真摯に向き合う姿勢に、清々しい感動を覚えた。企業の意識調査やアジアまで視野を広げた点等を評価した。また、投資確定企業に対して報告をしている点は、まさに今求められている投資家と企業との対話(コミットメント)であり、高校生でこれを実践しているところが凄いと思った。一方で、タイトルは大事。「速い、安い」という言葉でよかったのか、今一度議論してほしかった。

部門優秀賞

部門優秀賞・大学部門

大阪大学 3年

シンデレラ株
~変化をまとい、いざ舞踏会へ~(2,192KB)

【メンバー】
山口 彩香、芝田 大輝、則本 真璃、山下 颯平

【ポートフォリオ】
ホウスイ、サンユー建設、トラストホールディングス、イメージ情報開発、日本パレットプール、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン、ヤマザキ、AKIBAホールディングス、ソフィアホールディングス、ダイヤ通商、東京衡機、中央化学、オリバー、ホテル、ニューグランド

【審査委員講評】
バリュー投資家としては、読んでいて最高にワクワクしたレポート。企業の再生には経営の変革だけでなく投資家からの認知度改善が必要であるという着眼点も素晴らしい。「シンデレラ」というネーミングがレポートの内容をズバリ見事に言い表している点が高い評価だった。よくできているだけに、選定銘柄(企業)への何らかのアプローチがあるとさらによかった。

敢闘賞

敢闘賞

広尾学園中学校 3年

~世界を変えた画期的な発明~(2,776KB)

【審査委員講評】
海洋プラスチック、廃プラ等の環境問題に取り組む企業に投資した優秀作。とりわけ、評価が高かったのはアジア企業まで視野に入れ、しっかり調べたこと。ポートフォリオ16社のうち9社をアジア企業が占めている。スクリーニングでは、CSR、多言語化、海外進出、取り組みの積極性等の定性評価を最終段階で加味している点が良かった。課題を言えば、フイールドサーベイが不足していた点だろう。日本企業のいくつかにアプローチできればなお良かった。

お茶の水女子大学附属高等学校 2年

SDGs×NUDGE
~企業から消費者、そして社会への循環へ~(2,880KB)

【審査委員講評】
このレポートの良さは、SDGsだけでなく、NUDGEを組み合わせた点であろう。具体的には、スクリーニングの3で、Easy、Attractive、Social、Timelyについて点数化をはかり、企業を絞り込んでいる。この結果、オリエンタルランド、花王等良質な企業が多く含まれたポートフォリオになっている。加えて、6社に及ぶ企業訪問を行い、多くの学びにつなげていた。

関西学院大学 3年

生命の偉大なる母、「海の危機」
~Keep the ocean beautiful~(1,886KB)

【審査委員講評】
地球環境の維持は喫緊の課題であり、海洋プラスチックごみは、人体への影響も大きく、経済的なマイナスコストも膨大なものになると予想されている。SDG投資やESG投資が推奨され、循環型社会、Greenエネルギーの使用が進められている。まず、主成分分析を用いて6つの指標を、ROAとROEの成長率とする第一主成分と、PBRや配当利回りを強い説明要因とする第二主成分に分類する。次に、機械学習のアルゴリズムである「決定木」を用いてスクリーニングを行い、最後に、株式の割引現在価値から導出した株式価値を、時価総額と比較して割安感を導出している。海洋プラスチック問題の解決に取り組んでいる企業を投資対象とし、ポートフォリオの最適化を求めており、努力のあとが見られる力作である。

東京大学 3年

Interiority is the Mother of Innovation(1,812KB)

【審査委員講評】
イノベーションというと、技術開発力に着目したものが多いが、このレポートでは内部情報を適切に伝達する環境、内部統制の優れた企業に注目し、数多くのスクリーニングを経て、ポートフォリオを作成している。中を見ると、イビデン、安川電機などイノベーションに長けた企業が数多く選ばれており、会計的なアプローチの有効性を示している。

同志社大学 3年

Create the True Asian Health(5,590KB)

【審査委員講評】
テーマを単に「健康」とせず、「日本がアジアをけん引できる」という観点を絡めたところが秀逸。表現力を含め、レポート全体を通して自分たちの考え方をうまく説明できている。なかでも評価できるのは、徹底したフィールドワーク。11社という企業訪問の社数は、今回の参加校で最多だったのではないか。ネットを活用しつつも、コツコツと自分の足で情報をとりにいく真摯な姿勢はたいへん好感が持てる。

アイデア賞

アイデア賞

大分県立三重総合高等学校 2年

地域課題解決型 Glocalファンド Two.OK(とぅーおく)
~未来を彩る 二人へ♪SDGs. TOUSHI ファンド~(5,031KB)

【審査委員講評】
地域課題の解決といった大きな問題意識から、地元での投信会社の講演、東京での渋沢栄一記念館の訪問及び企業への取材など、フィールドワークを踏まえ、具体的な企業を選定していく流れが、精力的でありかつ初々しさも感じる高校生らしい作品であった。特に、物流拠点としての倉庫業への注目は、非凡な着眼点であるが、そこに至る議論の説得力はもう一歩だったかもしれない。しかし、そもそも高校生にとっては難易度の高い課題であるアジアの企業の採用など、全体的に熱量があり、アイディア賞にふさわしいものであった。

慶應義塾大学 4年

進撃のポートフォリオ
~ジャイアントキリングを起こせ~(2,272KB)

【審査委員講評】
ジャイアントキリングというキャッチーなフレーズを最大限活用し、ポートフォリオ選定に向けた議論を上手く組み立てており、一貫性を保ちつつ読みやすい作品であった。ただし、指数の選定について、他の優秀作と比較すると、特に統計・理論的な裏付けにおいて弱い点があり、特に追われる立場である「ジャイアント」の分析はもう少し深みが欲しかった。一方、今回新たに加わったAsia300の企業についても企業分析を行っており、弱点をカバーする好奇心や意欲が感じられるため、総合的にアイディア賞に選定した。

ルーキー賞

ルーキー賞

兵庫県立姫路西高等学校 2年

Supporting Double-Income-Household
~共働き世帯を支える企業研究~(3,651KB)

【審査委員講評】
働き方改革は日本の成長力を左右する大切なテーマの1つ。その観点から「共働き世帯を支える企業」の研究は時宜にかなうテーマである。評価できる点は大きく2つある。一つ目は在校生の保護者に大がかりなアンケートを実施し、結果を丁寧に分析した点。もう一つは、内閣府が公表しているオープンデータをうまく活用した点。第1スクリーニングの説明をもう少し丁寧にできれば、さらに良いレポートになっただろう。

入選

入選一覧(75レポート)

NOMURA Award(特別賞)

中学:

慶應義塾普通部 荒川 昭 教諭

高校:

愛媛県立松山東高等学校 三好 千聖教諭

大学:

大阪国際大学 外島 健嗣 准教授
広島修道大学 米田 邦彦 教授

Nomura Award 受賞者コメント

参加数

学年 中学 高校 大学 専門
学校数 35 123 127 4 289
チーム数 260 666 781 19 1,726
人数 1,051 2,547 3,225 69 6,892

出場校紹介