1. お金について考えよう
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お金とよい関係をつくるには?

「働くこと」とお金~人はどうやってお金を手に入れるのだろう?

「人の役に立つこと」が、お金とつきあうためのスタート地点

最後にこの章では、私たちがお金とよい関係をつくっていくためにはどうしたらよいか、いろいろな角度から考えてみましょう。

「お金がほしい」という気持ちは、どんな人にもあるものです。たしかに、お金は生きていく上で欠かせないものですが、しかしお金自体は、食べられるわけでも着られるわけでもなくて、何かと交換することで初めて役に立つという、とても不思議なものです。
そしてお金は、どのように使うかによって満足感が違ってきます。たとえ、たくさんのお金を持っていたとしても、自分にあった使い方をしなければ、心地よく暮らすことはできないでしょう。
本当に大切なのは、お金それ自体ではなく、お金とのじょうずなつきあいかたを知ることだといえます。

お金とのつきあいかたで、まず知ってほしいのは、お金は何か「人の役に立つこと」をしないと手に入れられないものだということです。
お金を簡単に手に入れる方法はありません。私たちは人々に役立つようなモノやサービスを生み出すことによって、はじめて人からお金を得ることができます。これが「働く」ということです。
いちばんはじめに、世の中にまだお金がなかった時代のことをお話ししました。その頃の人々は、モノとモノを交換して生活していました。ほしいモノがあったら、それと交換できるモノをそのつど自分で用意しなければなりませんでした。
やがてお金が発明され、大変便利になりましたが、ほしいモノを手に入れるにしろ、お金を手に入れるにしろ、スタート地点が「働くこと=人々に役立つモノ・サービスを生み出すこと」であることに変わりはありません。

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