2004年9月9日
量的緩和とは、現在の日銀が行っている金融政策のことです。マネー全体を絶対的な量の側面からコントロールして金融政策を運営しようというものです。2001年3月19日の金融政策決定会合で導入されました。すでに3年以上が経過しています。
具体的に日銀が行っていることは、都市銀行や地方銀行が日銀に対して持っている当座預金の残高を増やすことです。2001年3月の導入当初は、それまで4兆円だった当座預金残高を+1兆円積み上げて5兆円にしました。これだけのことですが、銀行は日銀に置いてある当座預金残高の額に比例して融資(おカネの貸し出し)を行うことができるため、銀行を通じて世の中に流れ込むマネーの量が増えると期待されました。
その後も日銀は当座預金残高を段階的に積み上げており、今では30兆円〜35兆円を維持するように資金を供給しています(つまり日銀は、それだけ貸し出しが増えることを期待しています)。
ここまでで量的緩和の説明はひととおり終わってしまいます。しかし量的緩和をきちんと理解するには、少し回り道をしなければなりません。日銀による金融政策というものを理解する必要があります。
そもそも金融政策は日銀だけが行うことができるものです(中央銀行の専管事項です)。景気が悪くなったら日銀は金利を下げ、逆に(今の米国や中国のように)景気がよくなりすぎたら金利を引き上げます。あるいはインフレ(物価の急上昇)が起こりそうな気配が見えたら、同じように金利を引き上げてインフレを未然に防ぎます。
中央銀行の金融政策は、伝統的に金利を動かすことによって行われてきました。グリンスパン議長がFFレートを上げたり下げたりすることも金融政策の一環です。経済学の教科書には、中央銀行が行う金融政策の手段には次の3つがあると説明されています。
これら3つの金融政策の手段は、いずれも「金利」というマネーの価値を決定する尺度を操作することで当初の目的を果たそうとするものです。ここで言う「金融政策の目的」とは、景気の過熱を押さえたり、反対に不景気をテコ入れしたり、インフレを押さえたりすることです。そして金利を動かすために、中央銀行はマネーそのものを調節するのです。それが伝統的な金融政策の手段でした。
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