第17回日経STOCKリーグの実施記録や入賞レポートを掲載します。
- 日経STOCKリーグ
- 実施記録
- 第17回(2016年度)実施記録
第17回(2016年度)実施記録
各賞
最終審査委員会による厳正な審査の結果、第17回日経STOCKリーグの各賞およびNOMURA Award(特別協賛社賞)が決定しました。
※ レポート(PDF)に掲載されている個人情報および著作権の対象となる文書・画像等を一部非表示にしています。ご了承ください。
最優秀賞
東京大学 2・3年
Compact City
~投資で創る未来の街並み~(1,918KB)
【メンバー】
川手魁、荻島諒也、堀俊太郎、大畑毅志、前田武暁
【ポートフォリオ】
丸紅、ACKグループ、大和ハウス工業、長谷工コーポレーション、東日本旅客鉄道、JPホールディングス、幼児活動研究会、ココカラファイン、キャリア、TIS、サムティ・レジデンシャル投資法人、マリモ地方創生リート投資法人
【審査委員講評】
コンパクトシティは、これまでも、よく議論されてきたテーマであるが、地方が高齢化社会に直面する中で、医療・介護サービスも必要になり、遠隔地の需要をいかに満たすかは、とても重要なテーマとなっている。本論文では、都市を対象として、民間企業がどのような分野に投資できるか、コンパクトシテイ建設への寄与、さらに収益性・安定性・成長性・割安性の視点から、さまざまな統計手法を用いて分析している。交通、不動産、商業、ICT等の多様な分野を対象とした研究である。公的機関が関与し、民間企業の投資を促さなければならない分野も存在する。将来的には、政府と民間の役割分担、人口が減少している地方での高齢化問題によるコンパクトシテイ化は、どのように達成することが可能かも考えてほしい。さまざまな学部の学生による研究で、多様な見方を提唱してくれている。
部門優秀賞・中学部門
筑波大学附属駒場中学校 3年
【メンバー】
熊谷光剛、兼子孟、木場悠人、小濱賢太、小松俊介
【ポートフォリオ】
松井建設、住友林業、大和ハウス工業、カルビー、東レ、ワコールホールディングス、第一稀元素化学工業、資生堂、TOTO、リブセンス、日立製作所、NEC、堀場製作所、カシオ計算機、トヨタ自動車、伊藤忠商事、東京海上ホールディングス、三井不動産、ANAホールディングス、SCSK
【審査委員講評】
驚きました。なんという完成度。今、世界が直面している大きなテーマに真っ正面から向きあって深く考察しています。「経済学の宇宙」のような難解な書物も読破するなんて…。感心することしきりでした。論理展開がしっかりしているし、表現力もハイレベル。筋骨隆々。実に骨太なレポートに仕上がっています。とても中学生が書いたとは思えませんでした。Great Job!
部門優秀賞・高校部門
愛媛県立松山東高等学校 1年
Life×Technique
~命あるものと技術をつなげるバイオミメティクス~(2,606KB)
【メンバー】
鶴﨑公規子、岡本拓己、三好由里子、濱田美月、古野智也
【ポートフォリオ】
キッコーマン、帝人、東レ、小松精練、王子ホールディングス、三菱ケミカルホールディングス、積水化学工業、ソフト99コーポレーション、資生堂、日立製作所、ソニー、古野電気、浜松ホトニクス、日東電工、日産自動車、島津製作所、総合商研、三光合成、デサント、西日本旅客鉄道
【審査委員講評】
生物の持つ優れた機能を活用して技術を開発するバイオミメティクスに着目したレポートである。意欲・アイデア・次世代育成・CSR・財務の観点から20社の企業について分析を行っている。生物の機能を人間の技術によって再現するとは、口では優しいが、いかに苦労が多いかもレポート作成の中で学べている。技術の発展が、経済成長の源泉であり、世界に売れる技術を生み出す企業を見つけ出し、応援していくことが日本の持続的な成長を可能にすると思う。個人の銘柄選別により投資資金の流れが日本経済の活性化に繋げられれば素晴らしいことである。
部門優秀賞・大学部門
東京大学 3・4年
【メンバー】
奥田亮史、賈宗也、中林渉、名倉航平、別所史也
【ポートフォリオ】
メディアドゥ、レオパレス21、スタートトゥデイ、ニフコ、アステラス製薬、シマノ、住友林業、シスメックス、スズキ、ヤマハ発動機、パーク24、コニカミノルタ、日本製粉、住友化学、LIXILグループ、帝人、ヒューリック、大林組、東レ
【審査委員講評】
会社は数十年にわたって成長、発展していく存在。一方、経営者は数年、長くて十年務めてバトンタッチしていく存在だ。この時間軸の違いに着目し、長期の視野を持って経営できている経営者を有する会社に投資するとした大学生らしい優秀作である。最近の研究では、社長、副社長等のマネジメントチームの経験値の高さとその継承の仕組みが会社の持続的な発展に影響するとも言われている。奥の深いテーマであり、引き続き研究を重ねてもらいたい。
敢闘賞
田園調布雙葉中学校 3年
【審査委員講評】
成長を続けるイスラム市場に着目し、ハラル事業を展開している日本企業にアンケートを実施、丁寧に調べている点が評価されました。「信仰を持っている人たちに対して一層の配慮を」というまとめの感想は、キリスト教の学校に通う女子中学生ならではの、心に響くメッセージでした。せっかくアンケートを実施したのですから、各社のハラル事業の取り組みをもう少し詳しく紹介してあると、さらに読み応えがあるレポートになったと思います。
愛知県立愛知商業高等学校 3年
日本と世界の架け橋へ
~ハラルがもたらす友好と第2次爆買いブーム~(3,671KB)
【審査委員講評】
先輩の過去のSTOCKリーグのレポートを読むなど傾向と対策がばっちり。日本にいるイスラム教徒に話を聞くなど「ハラル」というテーマをしっかり消化しています。地元を活性化させたいという「強い地元愛」にあふれているのにも好感が持てました。とにかく「自分の目でみて聞いて考える」という姿勢が感じられるのがいいですね。できあがったポートフォリオの成長性に説得力がありました。
筑波大学附属駒場高等学校 1年
理想的なインパクト・インベストメントを目指して
~原発の廃止措置への投資~(3,271KB)
【審査委員講評】
原発の廃炉をテーマにした勇気あるチャレンジを多くの審査員が評価した。ポートフォリオも廃炉全体の作業工程を意識し、選んでいるのである程度分散が効いている。サプライチェーンを丹念に調べることは中小型のユニークな企業を発掘する上で有効だろう。また、経済産業省や清水建設を訪ねた点も良かった。ただ、高校名が明記されていない、繰り返しが多く冗長なところが気になったという指摘があった。今後ぜひ注意してもらいたい。
神戸大学 3年
【審査委員講評】
昨今の消費者を取り巻く環境の変化に着目し、日本企業が直面する課題を解決するためには消費者との共創が有効との観点から、工夫を施したスクリーニングを行っている。その結果選んだ企業については、それぞれの特徴をうまく把握して表現しており、また、企業訪問でヒアリングした内容も興味深いものが多いなど、読みやすいレポートとなっている。
同志社大学 3年
世界の市場を掴み取れ!
~もう止められないShare!革命~(5,126KB)
【審査委員講評】
まず最初に仮説の蓋然性について足を使って検証するというアプローチがいいですね。官民会議への参加、政府への取材、ミレニアル世代へのアンケート…。熱意を感じます。シェアリングエコノミーは日本では遅れた分野。関連する上場企業も少ない中で工夫してポートフォリオを構築しています。フィールドワークもしっかりやっていますね。すがすがしさと知性がうまくバランスした力作でした。
審査委員特別賞
名古屋大学教育学部附属中学校 3年
支援から投資へ
~アスリートの積極雇用によるマイナー競技への投資~(1,996KB)
【審査委員講評】
東京オリンピックが近づくにつれて、スポーツの持つ意義への関心が高まってきている中で、独自の視点で「マイナー競技」を選定し、投資で応援しようとしている点がユニーク。その上で、それぞれの企業における様々な取組みをよく調べている。全体のつながりにも目配せをしていくとさらに良いと思う。
お茶の水女子大学附属中学校 3年
Help My Mother
~今から始める親孝行~(3,503KB)
【審査委員講評】
愛情にあふれた温かいレポートで、思わず応援したくなった。もちろん、ポートフォリオはいくつか工夫がなされている。一つはMy Mother Pick upで、5人のメンバーの母親推薦企業を採用している。二つは管理職の女性比率、母親支援制度の充実度、ROEなどの財務指標を独自に設定し、スクリーニングしている点。加えて、ニチレイとキリンを訪ね、インタビューしている点も良かった。もちろん、あと数社訪問できていれば完璧だったろう。
立教池袋高等学校 1年
紙ってる!?CNF CHANGES THE WORLD(1,583KB)
【審査委員講評】
企業が生産する財・サービスは、時代の流れによって大きく需要が変化する。従来は、紙がなければ、読み書きも伝達も出来なかった。しかし、科学技術の進歩により、「紙」をかならずしも必要としない時代になっている。製紙業界は、衰退する紙需要に対して、CNF(セルロースナノファイバー)という新素材市場の開拓を目指している。衣料品・輸送用機械・製紙・樹脂の4つの分野で、CNF開発を行っている129社について、海外進出・他分野との連携・実績・品質・顧客ニーズと財務分析からスクリーニングを行い、19社を投資先として分析している。新しい技術開発を目指している企業に上手く投資できれば、海外にも販路を増やすことができ、日本経済の活性化につながる。衰退する分野を技術で再生させるという方法は、いろいろな分野に応用できる研究である。
静岡県立榛原高等学校 1年
【審査委員講評】
磁石という、一見新しくない素材の可能性に着目した高校生が、TDK訪問を通じて、様々な最先端技術に磁石が使われていることを学んでいく様子が伝わってきました。選定した企業が磁石をどう活用・応用しようとしているかを彼らなりによく調べ、評価しており、工学系への進路を考えている生徒が多いグループという特徴が活かされています。ただ、読みにくかったという声もありました。読点の打ち方に工夫をしてみてはどうでしょうか。
入選
NOMURA Award(特別協賛社賞)
中学:
東京都立武蔵高等学校・附属中学校 高橋 勝也 教諭
高校:
愛知県立愛知商業高等学校 寺田 陽一 教諭
大学:
東京経済大学 石川 雅也 准教授
創価大学 平岡 秀福 教授
青山学院大学 中里 宗敬 教授
参加数
学年 | 中学 | 高校 | 大学 | 専門 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
学校数 | 26 | 98 | 128 | 6 | 258 |
チーム数 | 157 | 807 | 627 | 27 | 1,618 |
人数 | 618 | 3,140 | 2,604 | 100 | 6,462 |