2006年12月15日
昨年より、上場企業が株式を非公開化する動きが目立っています。
株式の非公開化とは、TOB(株式公開買い付け)などにより、上場企業またはその経営陣が株式を買い取り、証券取引所が定めた株主数の基準を下回り上場廃止となるものです。
それではなぜ、企業は非公開化の道を選ぶのでしょうか。
本来、市場に上場するとは、市場から資金調達する、という目的が第一にあります。新興企業にとっても上場はひとつの大きな目標になっています。あわせて、上場すると社会的信用力がつく、新入社員を採用しやすいなど、企業としての「格」を高めることができます。その半面、いったん上場すると、広く投資家に投資機会を与えることとなり、必然、企業は投資家を意識した経営をおし進めなければなりません。
ここにきて上場企業は、海外投資家や機関投資家から、利益配分のあり方や、企業経営について、厳しい要求をつきつけられるようになりました。さらに投資家の短期志向が進み、企業にとって長期戦略を遂行することがむずかしくなっています。
このため、事業再編や合理化を抜本的に試みる企業にとっては、上場が足かせになり、次なる改革に踏み出すことができなくなってきました。常に株価上昇を期待する投資家にとって、それがたとえ一時的であっても、改革による赤字計上は許されるものではありません。よってこれら企業は、いったん非公開になることによって、改革に伴う株価急落を避ける道を選ぶようになりました。市場の構造的変化により、成長が鈍化、合理化を求められている企業の多くが非公開化に進んでいます。
ただ、安易に非公開化に走るだけでは企業が復活するという保証はありません。たとえ非公開企業になったとしても、企業価値向上に向けて常なる努力が求められているといえましょう。
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