債券ってなぁに?

債券でお金をふやすには?~「利子」と「利回り」の違い

債券を利用する上で、ぜひ理解しておきたいのが「利回り」という言葉だ。似たような言葉には「利子」や「利息」もある。ここで整理して紹介しよう。

債券は「お金の貸し借り」の手段の一つだ。だから通常の貸し借りと同様、お金を貸した人はその見返りとして、あらかじめ決められた率のお金を借り手から受け取ることができる。この見返りとしてのお金を「利子」または「利息」と呼んでいる。

「利回り」とは、これらとは少し違う性質のものだ。

債券は株式と同じように自由に売り買いできるので、その値段も変動している。だから、たとえ券面に書かれた利率は同じでも、買ったときの値段が高かったか安かったかによって、”おトク度”は違ってくる。その人が、その債券を買った時の金額(投資額)と、最終的に受け取るお金(元金と利子)を踏まえて計算したおトク度のことを「利回り」というんだ。

買った時の値段によって、利回りが変わる

ここに額面金額が10,000円、利率が年率5%で、1年後の満期に元金・利子を合わせて10,500円を受け取れる債券があるとする。あなたがこれを買った時の値段によって、利回りは次のようになる。

  • ▼額面金額と同じ「10,000円」で債券を買った場合
  • A.投資額 : 10,000円
  • B.満期に受け取れる額 : 10,500円
  • C.投資によってふえた額 : B-A=500円
  • 利回り : C÷A×100=500円÷10,000円×100=5%
  • ▼額面金額より安い「9,900円」で債券を買った場合
  • 投資額 9,900円(A)
  • 満期に受け取れる額 : 10,500円(B)
  • C.投資によってふえた額 : B-A=600円
  • 利回り : C÷A×100=600円÷9,900円×100=約6.1%
  • ▼額面金額より高い「10,100円」で債券を買った場合
  • A.投資額 : 10,100円
  • B.満期に受け取れる額 : 10,500円
  • C.投資によってふえた額 : B-A=400円
  • 利回り : C÷A×100=400円÷10,100円×100=約3.9%

簡単にいうと、額面よりも価格が安いときに買ったほうが利回りは高くなり、額面よりも価格が高いときに買ったほうが利回りは低くなるんだ。
一般には、利回りは次のような算式で計算される。

利回りの算式

この数式に、例2を当てはめてみると、

利回りの算式例

※ここで紹介した利回りは、厳密には「最終利回り」と呼ばれるものです。
※債券の中には満期までに定期的に利子が支払われるものと、利子が付かないものもあります。前者を「利付債」、後者を「割引債」といいます。割引債の場合は、額面金額よりも低い金額で売り出されるので、その差額分が利子に相当します。

日野先生からのアドバイス

債券を満期日前に売買するときの値段は、その時点での市場の金利やその債券を発行した企業の信用力などがもとになって決まります。