先駆者たちの大地
大原孫三郎
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大原孫三郎
十年先を見通した目
大原孫三郎は立志伝の人ではない。
父祖から受けついだ財産をもとに、倉敷紡績を育て、クラレを興し、中国銀行、中国電力の礎をきずいた。
そうした実業を超えて、壮大な視野で社会を考えた人だった。
いま、フィランソロピー(※)が盛んに語られているが、「わしの眼は十年先が見える」が口癖だった孫三郎には、百年先さえ見えていたのかもしれない。
(※) フィランソロピー(philanthoropy)
ギリシャ語で、博愛、慈善。企業の社会貢献に冠する。文化・芸術支援活動にはフランス語のメセナが使われる。
- 1880~1901年 放蕩の日々の果てに
- 1901~1926年 わしの眼は十年先が見える
- 1914~1923年 マスカットや白桃の生みの親
- 1927~1943年 二、三人がいいということをやるべき
- 1919~1930年 わが国初の西洋美術館・大原美術館
IRマガジン1998年8-9月号 Vol.33 野村インベスター・リレーションズ