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core30とは何ですか?

「TOPIX Core30」は東京証券取引所が算出する株価指数のうち、時価総額が特に大きい日本のリーディングカンパニー30社で構成されているもの。時価総額ごとにより細やかな区分が設けられており、ほかにはCore30の銘柄を除いて時価総額と流動性の大きな順に上位70銘柄を並べた「Large70」などがあります。

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ご質問の「コア30」とは、「TOPIX Core30」のことだと思います。東京証券取引所が日々発表している株価指数の一種です。東証は何種類もの株価指数を算出していますが、中でも時価総額の特に大きな、日本のリーディングカンパニーを30社集めて計算しているのが「TOPIX Core30」です。ここでは東証の算出する株価指数について説明します。

まずTOPIX(トピックス)について簡単に触れておきます。TOPIXは、正式には「東証株価指数」のことで、東証1部全体の動きを表す株価指数のひとつです。英語表記の“Tokyo Stock Price Index”の頭文字をとって“TOPIX”と呼ばれます。

株価指数としてのTOPIXの最大の特徴は、その計算方法として時価総額での加重平均方式を採用している点にあります。「時価総額加重平均方式」とは、ある時点の東証1部全体の時価総額を基準として決めておき、現在の時価総額が基準時点と比べてどれくらいになっているかを比率で示すものです。実際には1968年1月4日の時価総額を100としています。

時価総額を基準とするために、“TOPIX”は東証1部に上場するすべての銘柄が指数を算出する時の対象になります。対照的なのが日経平均株価で、これは採用銘柄である225銘柄の平均値で計算されます。そのために株価の高い銘柄(いわゆる値がさ株)の値動きが株価指数に対して大きな影響を与える傾向があります。これと比べてTOPIXは、時価総額の大きな銘柄の値動きが影響しやすくなっています。算出方法は異なりますが、TOPIXも日経平均株価も、日本を代表する株価指数としてどちらも同じような値動きをたどります。

話を「TOPIX Core30」に戻します。TOPIXは全上場銘柄を対象としていますが、そうなると時価総額の大きな銘柄ほど株価指数に与える影響が大きくなり、逆に時価総額の小さな銘柄はより大きな銘柄の動きに埋没してしまって、なかなか全体の動きをつかむことができません。そこで東証は、TOPIXの動きを補完(サポート)するために、時価総額ごとにより細やかな区分を設けた株価指数を作成するようにしました。それが「TOPIX ニューインデックスシリーズ」です。

「TOPIX ニューインデックスシリーズ」は、時価総額に基づいて7種類のサブインデックスで構成されています。そのうちのひとつが「TOPIX Core30」です。サブインデックスシリーズは基準日を1998年4月1日として、翌4月2日より算出されるようになりました。

7種類のサブインデックスをすべて挙げてみると、

  • ・TOPIX Core30
    (コア30)
  • ・TOPIX Large70
    (ラージ70)
  • ・TOPIX Mid 400
    (ミッド400)
  • ・TOPIX Small
    (スモール)
  • ・TOPIX 100
  • ・TOPIX 500
  • ・TOPIX 1000

となります。

「TOPIX Core30」は、東証1部に上場するすべての銘柄(およそ1690社)の中から、時価総額と流動性の大きな順に30社を選び出して算出される株価指数です。わずか30社ですが、時価総額では東証1部全体の33%、3分の1にも及びます。たいへんな集中の度合いですね。

残りのサブインデックスも「TOPIX Core30」と同じ基準で作成されています。「TOPIX Large70」は、「TOPIX Core30」に選ばれた30銘柄を除いて、時価総額と流動性の大きな順に上位70銘柄で構成されます。さらに「TOPIX Core30」と「TOPIX Large70」を構成する100銘柄で「TOPIX 100」が作成されます。この100銘柄の時価総額は、東証全体の56%にもなります。

「TOPIX Mid 400」は、「TOPIX 100」を構成する銘柄を除いた、時価総額と流動性の大きな上位400銘柄で算出されます。そして「TOPIX 100」と「TOPIX Mid 400」で「TOPIX 500」が作られます。この500銘柄の時価総額ウェートは東証全体の87%にもなっています。

最後に「TOPIX 500」を構成する銘柄と指数算出対象外の銘柄を除いた銘柄のすべてで「TOPIX Small」が計算されます。したがって「TOPIX Small」は1100社近くの銘柄数が含まれていることになります。

「TOPIX 500」の構成銘柄と「TOPIX Small」の中の時価総額・流動性の上位500銘柄をあわせて「TOPIX 1000」が作られます。これが「TOPIX ニューインデックスシリーズ」と呼ばれるものです。

時価総額や流動性は株式市場の動向によって日々変化するものです。そのためにTOPIXのサブインデックスの構成銘柄は定期的に見直しが行われます。毎年1月に定期入れ替えが行われ、7月には定期追加が実施されます。重要なのは1月の定期入れ替えで、その前の月の12月第3金曜日の時価総額を基準にして、1月末にサブインデックスの区分が見直されます。

なお、会社の規模別に値動きを表す株価指数としては、古くから「大型株指数」、「中型株指数」、「小型株指数」がありました。以前は資本金の額や発行済株式総数の大小でそれらを区分していたのですが、今では、(大型株指数=TOPIX 100)、(中型株指数=TOPIX Mid 400)、(小型株指数=TOPIX Small)、と区分されるようになっています。時代とともに「資本金」の大小が会社の規模を表さなくなってきたためです。それだけ時価総額の重要性が増したということでしょう。

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