1. 先駆者たちの大地

先駆者たちの大地

株式会社オービックビジネスコンサルタント

LANからNETへ

奉行シリーズ

OBCのヒットシリーズ「奉行シリーズ」

その後、対象となる業務も広がりを見せ、財務会計ソフト「勘定奉行」に加えて、給与計算ソフト「給与奉行」、販売管理ソフト「商奉行」、仕入在庫管理ソフト「蔵奉行」など、「奉行シリーズ」は今や企業の基幹業務全般をカバーできるシリーズにまで成長した。このシリーズは中堅・中小企業向けに開発された低価格のパッケージソフトであることや、それを制作するOBCが企業会計に精通したコンサルティング集団であることが顧客から高い支持を受け、その年間販売本数は4万本を超え、中堅・中小企業向けの基幹業務パッケージソフトとしては驚異的な売り上げ本数を誇っている。今やほとんどの企業にパソコンは普及しており、パソコンがなければウィンドウズ95を買い求めても使いようがないことを知らない人は希少だ。

オフィスのコンピュータの環境は、まず、コンピュータを1台ずつ単独で使用するスタンドアロンと呼ばれる形態から始まり、そこからクライアント/サーバ、つまり情報を蓄積し管理するサーバと、その情報を呼び出して活用するクライアントと呼ばれるコンピュータ端末をネットワークでつないだLAN(Local Area Network)環境へと進化。10年の歳月を待たずして、コンピュータ環境は劇的な速さで変化を遂げた。それに呼応してOBCも「奉行シリーズスタンドアロン」「奉行LANPACK」を発売してきた。
さらにブロードバンド環境に突入すると、OBCの製品も、コンピュータシステム上で企業の経理情報や販売情報、生産情報、人事情報などの基幹業務系情報を統合・管理する、統合基幹業務パッケージ・ソフトウエアERP(Enterprise Resource Planning)「奉行新ERP」へと進化した。「奉行新ERP」では、従来のパッケージソフトに、顧客企業が独自にカスタマイズできる機能を一部付与。ブロードバンドを活用することで、子会社や関連会社などの分散した拠点からも瞬時に必要な情報を入手したり、発信したりできるようになっている。これにより経営者は、在庫情報、生産情報から売上情報までを広くリアルタイムで入手し、迅速な意思決定を行うことが可能となった。
今後もオフィスのコンピュータ環境は、ブロードバンド環境の成熟とともに、インターネット上の情報と社内のネットワークとが有機的に結びつく新たなネットワーク環境へと、進化していく。すでに、マイクロソフト社は「.NET(ドットネット)」という構想を打ち出し、この潮流をリードしようとしている。「.NET」とは、コンピュータに指令を出すアプリケーション言語とWebで使用される言語を同一のものとすることによって、アプリケーション・システムとインターネット上の情報を障壁なくつなげて統合していくための新たなOSである。

これまでマイクロソフト社の構想と歩みを合わせてきたOBCの製品も、「.NET」構想に対応した次世代ERPソフトでオフィスの基幹業務に大きな変革をもたらす準備を進めている。スキルアップを絶え間なく続け、変化しつづける「人」を作り出す「組織」と、そこから生み出される製品を原動力に、OBCは成長と進化を続けてきた。そして世の中が「.NET」という新たな一歩を踏み出そうとするなか、2004年3月12日、OBCは東証1部という新しいステージに足を踏み入れたのである。

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IRマガジン2004年春号 Vol.65 野村インベスター・リレーションズ

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