1. わかっておきたい投資のこと
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デリバティブについて知っておこう

「ヘッジ」と「レバレッジ」2つの特徴

デリバティブの一種である先物取引は、農産物の値動きによるリスクを避けるために考えられたものだった。それがやがて株式をはじめとする金融商品の先物取引に応用されていった。また、先物取引以外に、「オプション取引」「スワップ取引」というデリバティブ取引も生まれていった。

デリバティブは普通の金融商品に比べると仕組みが複雑で、特徴やリスクが一見わかりにくい。もし利用する場合は、デリバティブの基本的な仕組みとリスク・リターンを十分理解しておくことが大切だ。

ここでは2つの特徴的な効果、「ヘッジ」と「レバレッジ」を簡単に紹介しよう。

ヘッジ効果

現代の投資の世界でデリバティブが活発に利用されているのは、2つの特徴的な効果を持っているからだ。1つはヘッジ効果、つまり「リスクを避ける効果」だ。

株価や金利、為替相場が将来どのように変動するのかを事前に予測するのは極めて難しい。しかし前項で見たように、あらかじめ値段を約束しておく先物取引を上手に使えば、予想を上回るような相場変動などが起こっても、それによる損失をある程度抑えることができる。

特に近年は、各国の投資家や企業が国境を越えたさまざまな投資活動をしていて、世界中を巨大な投資資金が飛び回っている。ある国の経済・政治・社会情勢の変化がそのお金の流れに影響して、予期できないような株価や為替相場の変動をもたらすこともある。そのため投資家たちの間で、デリバティブを利用してリスクに対応することも重要になっているんだ。

ヘッジ効果

レバレッジ効果

もう1つはレバレッジ効果だ。
レバレッジとは「テコ」のこと。テコを使えば重いものでも軽々と持ち上げられるように、デリバティブでは少ない資金でも大きな投資成果を挙げることが可能になる。

レバレッジ効果

先物取引の場合、実際に金融商品を売買するわけではなく、あくまで将来の値段について約束するだけだ。例えば、3カ月後にコーヒー豆1キロを1000円で買う先物取引をして、実際には相場が1500円まで値上がりしたとしよう。その場合、コーヒー豆を買わなくても、「1000円で買ってすぐに1500円で転売した」ものとして、差益の500円だけを手に入れることができる。事前に必要なのは、取引の対象となる商品額の数%の証拠金だけだ。これは投資家にとって、デリバティブの大きな魅力となっているんだ。

(もちろん値段の先行きを見誤れば、多額の損失を被る場合もある。投資のプロ達の間でも失敗例があるほどで、常に成果が得られるとは限らない。)

日野先生からのアドバイス

証拠金とは、先物取引を行う際に必要な担保のことです。通常は取引の相手方に現金で差し入れますが、有価証券でいい場合もあります。