11 世界で最初の硬貨とは?
世界で最初に貨幣(硬貨)が使われたのはいつか? どこの誰が作ったのか?……これは今のところ正確にはわかっていません。しかし、硬貨について書かれた最も古い記録といわれるのは、今から4500年も前の古代メソポタミアのものです。
「メソポタミア」というのは、ティグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域で、現在でいうとイラク南部にあたります。いわゆる「世界四大文明」の発祥地の一つとしても、世界史の教科書などにも出てきますね。メソポタミア地域で発掘された古代のくさび形文字で記録された碑銘に、銀を使って代金の支払いをしていた様子が記録されていたのです。
どうやら世界で最初に生まれた硬貨は、現在の「10円玉」「100円玉」などのように硬貨ごとに価値が決まっていたわけではなくて、取引をするときにその都度金や銀などの金属の重さをはかり、その重さを価値の単位として支払うしくみになっていたようです。
このほかにも、紀元前14世紀頃に描かれたエジプトの壁画にも、金属の重さをはかる天秤(てんびん)の絵が描かれたものが発見されています。