1. 日経STOCKリーグ
  2. 実施記録
  3. 第24回(2023年度)実施記録
  4. 第24回(2023年度)NOMURA Award 受賞者コメント

第24回(2023年度)
NOMURA Award 受賞者コメント

部門優秀賞

中学部門

市立札幌開成中等教育学校 松澤 剛 教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

探究学習の教材として、中学3年の社会の授業で「持続可能な個人と社会のwell-beingのための経世済民のシステムとしてのESG投資」を学ぶために7年前から取り入れています。経済学習は1998年ころから、栗原久先生や新井昭先生と出会って以来、「株式学習ゲーム」や「日経学生円・ドルダービー」などを授業に取り入れています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

生徒の変化としては、金融経済に関する知識だけではなく、仲間と協働する力や自己を調整しながら粘り強く課題に取り組む力をつけることができているように思います。毎回素晴らしいレポートを提出してくる筑波大学附属駒場中学校・高等学校さんを目標に頑張ってきましたが、その力を生かして、昨年「エコノミクス甲子園」で優勝し、国際経済オリンピックに参加するまでになりました。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

この度は「NOMURA Award」をいただき大変ありがとうございます。「日経STOCKリーグ」は、人生100年時代のVUCAな世界を生き抜くための金融経済に関する知識だけではなく、仲間と協働する力や自己を調整しながら粘り強く課題に取り組む力を育むための最高の探究学習教材です。これまで以上に多くの先生・生徒の皆さんに参加していただけることを願っております。

名古屋大学教育学部附属中・高等学校 隅田 久文 教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

元々私が日経STOCKリーグに関わることになったのは、およそ10年前に参加してみたいという生徒からの申し出があったことがきっかけでした。最初の頃は説明会に参加をしながら取り組んできました。日ごろの授業でも単に教科書の知識のみを扱うと無味乾燥になるため、できるだけ実際のニュースや企業の話題に触れながら経済学習に取り組んでいましたが、教科書の内容と実際の生きた経済との間に生じるギャップをいかに埋めるかが課題であるとは感じていました。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

私の勤務校は、自主性を尊重する学校で、生徒の興味・関心に応じてさまざまな課外活動に主体的に参加する土壌があります。日経STOCKリーグについても、校内でアナウンスをし、やってみたいという申し出があればエントリーをするという形で毎年取り組んでいます。指導についてもこちらからはあまり誘導せずに、学習を進めていく上で生じた疑問点や困ったことがあれば随時アドバイスをするというスタンスをとっています。過去に入賞した生徒の様子を見ていると、チームで苦労しながら一つのものを完成させることで自信がつき、高校進学後様々な活動への積極的な参加につながったりしています。また、社会を観る視点が広がったことも大きいようです。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

私たちは日常生活において様々な企業に接していますが、実際にどのような事業をしているかは意外と知らないものです。日経STOCKリーグを通して社会への問題意識を持ち、投資を通してその改善をはかるということを学ぶ意義はとても大きいと考えています。今後の課題としては、勤務校は併設型中高一貫校ですが、中学でエントリーした生徒が高校では多忙でなかなか継続的に取り組めていないことです。日経STOCKリーグへの参加を検討されている先生は、まずは気軽にエントリーをされてみると良いと思います。私の勤務校でも年によってはレポートの提出にたどりつけないチームもありますが、それも勉強だと考えています。学習教材も年々充実が図られ、取り組みやすくなっている印象を受けます。今後も継続的に取り組んでいきたいと考えております。

部門優秀賞

高校部門

秋田県立小坂高等学校 本炭 京子 教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

前任校に勤務していた際、先輩教諭に教えられて日経STOCKリーグのことを知り、参加し始めました。商業科「課題研究」の授業で、バーチャル株式体験学習で経済を体験する、学習ガイドブック・新聞で経済を学ぶ、レポートの作成により経済を考えることが、科目の目標に合っており、毎年参加しています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

授業で参加しているため、その科目を履修している生徒全員が取り組むことになります。始めは金融・経済学習に乗り気ではない生徒も、様々な企業を調べ、テーマを考え、株式投資を体験することで、株価の上がり下がりに一喜一憂しながら、どんどん夢中になっていく生徒が多いです。また、自分から新聞を読むようになります。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

日経STOCKリーグに参加することで、生徒達は様々な困難を乗り越え、そして楽しそうに取り組む姿を見せてくれます。私は生徒達がどんどん成長していく姿を見るのが好きです。株式投資やレポート作成は難しい、授業では取り組みづらいと考えるかと思いますが、生徒が取り組みやすいように毎年学習教材を改善してくれています。学習内容が科目と合っていて、まとまった時間を取れるようであれば、ぜひ参加されることをお勧めします。

久留米市立久留米商業高等学校 牛島 規夫 主幹教諭

日経STOCKリーグに参加された経緯について

本校は「商業」の専門課程を設置し、生徒全員が簿記会計・マーケティング・情報処理などを学習します。私は簿記会計を中心に担当しており、経営活動を記録し、財務諸表の作成・分析や、原価計算について指導しています。生徒は簿記会計の能力を測る検定試験には挑戦しますが、いますぐ高校生が実践に生かす機会は限られています。日経STOCKリーグは、高校生が持つ消費者の感覚と簿記会計で学習した経営者・投資家の立場、さらにはマーケティングの知識を結びつける、実践的な学習の機会と考え参加させていただいています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

生徒たちは、まず「株を買ってみて良いですか?」とバーチャル投資を楽しみます。株価が上がった下がった、なぜだろう?と。この反応だけで嬉しいですね。日経STOCKリーグに参加して、商品やサービスをWebで調べるとき、株価の推移(チャート)や、業績・財務状況まで見ようと声をかけます。相手を知りたい時、株価や財務諸表が参考になるかも?という感覚が備われば良いと思います。誰も指示せずとも、生徒が財務分析をする姿は、試行錯誤し成長していると実感できます。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

参加する上での制約は、担当学年や科目・時間数との兼ね合いです。私の場合は商業科目の課題研究で参加しますが、企業インタビューをする時間まで確保できていません。ですが、簿記会計の授業ではあまり関心を示さない株式や債券、金利や時間価値の話も、日経STOCKリーグの学習では関心度が違います。高校卒業後、NISAなどの金融制度や金融商品に直面した際、きっと「わからない!では済まさない」生徒たちに育っていると思います。

部門優秀賞

大学・専門学校部門

大阪公立大学 中川 満 准教授

日経STOCKリーグに参加された経緯について

経済学部は、工学部などと異なり、学習内容が必ずしも就職後の業務と結びつかず、それ故ゼミナールに対する学習意欲が自然に喚起されるわけではありません。そこで、日経STOCKリーグです。ある院生がその存在を教えてくれました。ゼミ生の一定数は、株式投資に興味を持っています。賞金や特典もあります。これらをニンジンにして学生を勉強へ導く、学生のモチベーション付けとして2007年から参加させて頂いています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

日経STOCKリーグのテーマ設定では、学生の自由な発想をできるだけ引き出すために、教員の介入を抑制的にしています。指導内容もあくまでもアドバイスとして学生に提案する形で提示しています。一方、ポートフォリオ理論などの基本事項は、金融工学の教科書を参照させ、疑問があれば解説する形で、積極的に介入しています。しかし、うまく指導できなかったチームの場合、締め切りの数秒前に不十分な形のレポートを提出せざるを得なかったこともあります。あの時の冷や汗は忘れられません。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

ゼミ生の調査能力、データ処理能力は日経STOCKリーグの参加によって磨かれているのは間違いないです。一方、発想力に関してはうまく引き出せてないと感じています。別のコンペティションで学生が発表のアドバイスを社会人の方から受けたのですが、「もっとおじさん達をワクワクさせるような発表を」と言われたそうで、元々統計学のゼミですので、テクニカルな点に重点が置かれがちでそうなってしまうのかなと反省しました。その辺りをさらに工夫してこれからも日経STOCKリーグにゼミ生が参加するよう誘導していきたいと思っています。今回の受賞は今まで日経STOCKリーグと苦闘してくれた学生皆に対してのものと喜んでおります。

金沢大学 寒河江 雅彦 教授

日経STOCKリーグに参加された経緯について

統計学を学んだ延長でデータ解析の実際の問題に適用させたいと考えていました。学生が興味を持ち、半年ぐらいかけて取組むテーマとゼミ活動の一環として、日経STOCKリーグがいい教材になると考えました。実際に参加し、財務分析、ファイナンス、統計学を結び付けたテーマとして自分たちで考えるいい教材になったと考えています。

日経STOCKリーグへの取り組みについて

私のゼミナールに参加した3年生のグループ活動として、アクティブラーニングの好例となっています。ゼミ紹介でも日経STOCKリーグへの参加、バーチャル株式投資、企業へのアンケートやヒアリングなどの活動は、座学の講義と違って、のびのびと創造性に富んだテーマ設定など、自由度のある学習効果が得られました。

日経STOCKリーグへの参加を終えてのご意見・ご感想

日経STOCKリーグに参加して、2つの良い機会が提供されていると感じます。1つはバーチャルな株式取引で、企業への関心と株取引の実体験ができる点はよかったと思います。2つ目は、情報収集ツールとしての日経新聞電子版の活用です。企業分析にはもちろんのこと、インターンシップ等の事前の企業情報の収集にも役立ちました。

第24回(2023年度)実施記録