金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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27しくみのこと※1 GDP=GrossDomesticProduct※2 CPI=ConsumerPriceIndex名称国内総生産(GDP※1)消費者物価指数(CPI※2)消費支出(家計調査)機械受注新設住宅着工戸数貿易収支完全失業率有効求人倍率厚生労働省(毎月)(公表時期)社会のしくみとお金の役割機関内閣府(四半期)総務省(毎月)総務省(毎月)内閣府(毎月)国土交通省(毎月)財務省(毎月)総務省(毎月)データからわかること 企業が出している会社案内やホームページなど、自社を紹介しているものを見るときは、まずその企業がどういう事業を行っているのかをチェックしましょう。モノを作っている企業は「製造業(メーカー)」、販売を中心にしている企業は「小売業」、鉄道や飛行機などは「運輸業」というように業種が異なるので、同じ業種の違う企業の情報を比べてみると、その企業のいろいろな特徴が見えてきます。たとえば新聞の株式欄を見ると「電気機器」や「電機」という大きな業種のくくりがあり、その製品によっていろいろな違いがあります。例 業種:電気機器重電メーカー:発電所や工場などで使われる大型の電気機器家電メーカー:家庭用の小型の電気機器半導体関連メーカー:半導体製造などに使われる宇宙航空機器メーカー:飛行機やロケットに使用する産業用電気機器特殊な電気機器 また、本社や事業所の所在地を見ると、企業の事業がどの地域で行われているかがわかります。本社が東京や大阪などの大都市にあっても、工場は地方にあったり、全国に支社や支店があり広範囲で事業展開している企業もあります。企業は法人税のほかに、事業所や工場の所在地で地方税を納めるので、自治体にとっては企業やその工場があることは税収上のメリットになります。そのため過疎化が深刻な地域では、積極的に企業を誘致し、雇用を拡大したり、人口を増加させて経済の活性化を図る自治体もあります。 ホームページには、その企業がどのような企業理念や経営理念を持っているかということも掲載されています。社是や社訓という呼び方をしている企業もあります。また、ホームページや「統合報告書」※1などを通してSDGs活動や企業統治※2の方針・情報などを開示する企業も増えています。ESG(環境・社会・企業統治)は企業評価のポイントとしても注目されます。※1統合報告書:企業の財務情報と非財務情報を取りまとめた報告書※2企業統治:さまざまなステークホルダーにより企業を統制・監視する国の経済規模を表す代表的なデータ。一定期間にその国で生み出された経済価値の総額。経済価値は企業でいうと利益に当たるので、GDPの伸びは成長率。消費者が実際に購入する段階の、商品の小売価格(物価)の変動を表す指数。日銀の経済政策、年金の見直しなどの判断材料に用いられる。家計の収入のうち、生活に必要なモノやサービスの購入にどれくらいの金額が使われたかを示す。税金や社会保険料などの非消費支出を除く。製造業では生産を増やす前に、作るための機械を発注するので、景気より先行して上がる数値。住宅がどんどん建設されているときは景気がよい。国の商品取引の輸出額と輸入額の差額。輸出が多い場合は貿易黒字、輸入が多い場合は貿易赤字。労働力人口のうち、働く意思があり、求職中で仕事がない人の割合。公共職業安定所(ハローワーク)の求人求職情報を基に計算。高いほど経済に活気があるとされる。児童用テキスト対照応援する会社を見つけましょう(P9)●経済の動きを表す調査やデータ企業情報のココを見よう!知ってる?IR情報 企業が自社製品やサービスを広く一般に広報するPR(PublicRelations)情報に対して、株主や投資家に向けた情報をIR情報といいます。株主や投資家の関心が高い業績に関する情報をはじめ、業績の予想や株価の判断に必要な財務指標などの情報、それらに対する企業としての見解などが含まれます。 日本国内の統計データだけでなく、海外の主要な指標も経済に影響を与えます。特に毎月発表されるアメリカの「雇用統計(非農業部門)」と「失業率」は、アメリカの経済政策が変更されるきっかけになることも多く、ニュースでも頻繁に取り上げられます。また、同じくアメリカの「消費者物価指数(CPI)」や「個人消費支出(PCE)」、「消費者信頼感指数」、「住宅価格指数」なども景気動向を見る指標として注目されています。

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