金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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※IR=InvestorRelations(投資家向け広報活動)26金融経済教育 お金を学ぶ 国内だけを見ると、「家計」「企業」「政府」が経済全体に影響を与え合っていますが、世界の中の経済大国である日本の経済は、世界各地の社会、経済、金融の動きからも日々影響を受けています。わかりやすいところでは、「円高になると海外で製品を売る際に受け取る円の額が小さくなり、輸出を中心に事業をしている企業の業績が悪化する」というようなことです。売上高の大きな大企業では、「1円円高になると何十億円の損失」ということがよくニュースになっています。また、円高になると日本国内では輸入品が値下がりすることがあります。原材料を海外から輸入している業界は調達コストを下げることができます。円安になると、割安な日本製品を求めて、海外からの観光客が増えるという現象も起こります。そうなると売り上げが上がるのは、どのような事業をしている企業でしょうか。為替の変化は企業の活動に直接、間接的に影響を与えていることがわかります。 為替レートの変動以外にも、経済や企業の業績に影響する要因はいろいろあります。どのようなものがあるでしょうか? 下の図にもあるように、いろいろな状況が絡み合ったり別の現象を引き起こしたり、それぞれが起こるタイミングによって意外な問題や新たな局面が生じます。 毎日のように取り上げられる政治や経済のニュースは、さまざまな方面に影響を及ぼしています。特にニュース番組のトップや新聞の1面に取り上げられることがらは、多方面への影響が大きいことが多く、私たちの生活にも大なり小なりかかわってくる可能性があります。ちょっとした景気の落ち込みや業績の悪化でも、長引くと不況につながります。 官公庁や民間の調査機関では、経済や消費などの動向を定期的に調査して分析することで、全体的な社会や経済の状況を把握し、今後の経済動向の予想に役立てています。政府が対応策を検討する際にも、これらの調査結果が重要視される場合があります。 企業の個別の情報はニュースや新聞で、第三者から取り上げられるものだけでなく、企業自らもさまざまな側面から情報を発信しています。今ではインターネット上に自社のホームページを開設している企業がほとんどで、そこには企業が多様なステークホルダーに向けて発信している情報が掲載されています。ホームページ以外にもSNSなどを活用して、情報を積極的に公開しているところもあります。社名/本社所在地/事業所所在地/社長名/決算月/グループ会社経営理念/社是/社訓経営方針/トップメッセージ事業部紹介/製品紹介/研究開発報道資料(プレスリリース)決算情報/株主・投資家への情報/IR※情報CSR活動の状況/環境問題への取り組み新卒採用情報/中途採用情報基本情報企業理念事業内容開示情報財務情報取り組み採用情報毎日のテレビや新聞の身近なニュースから景気の動きを見るための「数字」企業が自ら発信する情報をキャッチ!<企業のホームページに掲載されている主な内容>

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