23①たとえば1株1,000円で100株売りたい人と、1株1,000円で100株買いたい人がいれば、売買が成立します。このときの株価は1,000円です。②A社の株式をいくらでもいいから100株ほしい人がいる場合、1,200円なら売るという人がいれば、株価は1,200円で取引が成立します。 株式の値段を「株価」といいます。同等の条件で売りたい人と買いたい人がいれば取引が成立(約定)し、その値段が株価になります。 売りたい人ばかりでも、買いたい人ばかりでも取引は成立しません。買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多いと下がります。 また、株価というのは通常1株の値段を示しています。なお、2018年10月1日から証券取引所を通じて株式を売買する場合の株数が100株単位に統一されました。したがって、株式を買うのに必要な最低限の金額は「株価×100」円(手数料除く)になります。 日本では東京、名古屋、福岡、札幌に証券取引所があり、約3,900社が上場しています。日本を代表する証券取引所・東京証券取引所(東証)で個人投資家が取引できる市場は、2022年4月4日から、最上位の「プライム」、それに次ぐ「スタンダード」、そして新興・成長企業向けの「グロース」という3つの市場に再編されています。取引時間は平日の午前9時から11時30分、午後12時30分から3時まで。土日と祝日、年末年始(12月31日~1月3日)は休業します。開場時間外でも私設取引システム(PTS)や証券会社との間の取引は可能です。 株式投資を始める場合は株式の口座や管理を行う「証券口座」を開設する必要があります。成年年齢の引き下げにより、18歳以上の人なら自分の判断で口座開設が可能です。取引のスタイルには、証券会社の社員から投資情報や投資先の提案を受けて店頭や電話で取引する「対面取引」と、自分でパソコンやスマートフォンを操作して情報収集や注文を行う分売買手数料が割安な「ネット取引」があり、自分のやり方に合った使いやすい会社を選ぶといいでしょう。今は、貯まった共通ポイントで手軽に株式投資を行うこともできます。社会のしくみとお金の役割証券取引所株式投資の始め方「指し値」と「成り行き」 株式をいくらで買うかをあらかじめ決めて、「○○円で買いたい」という注文を「指し値注文」といいます。その値段で売りたいという相手が市場にいなければ買うことはできません。また、いくらでもいいから買いたいという場合には「成り行き注文」を出します。思ったより値段が上がっても下がっても、その株式を売りたいという相手がいた場合に買うことができます。
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