金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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2金融経済教育 お金を学ぶ 日本は今、金融経済知識が特別な専門知識ではなく、生活のためのリテラシー(知識・判断力)として必要とされる社会になっています。2014年に金融経済教育推進会議が公表した「金融リテラシー・マップ」(2015年6月改訂)は、日本がそういう社会であることを前提に、国民一人ひとりが、より自立的で安心かつ豊かな生活を実現するための生活スキルとして金融経済知識をとらえています。 この冊子は、子どもたちに金融・経済について授業を行う前に、また、一般的な基礎知識を確認するためにご利用いただくものです。制作にあたり、金融経済の専門的な側面については野村ホールディングスから助言をいただいて企画・構成しました。 お店に行かなくても、インターネットで簡単に商品が買えることが普通になり、手元に現金がなくてもクレジットカードやスマートフォンなどで買い物ができ、「お金を使う」という感覚が以前より薄れてきている場面が多くなっています。スマートフォンでゲームをして、気づかないうちに課金されることもあります。子どもたちの生活の中にも、パソコンやスマートフォンなどを通じて、これらの便利な商品やサービスが入り込み、現金だけでやりとりしていた時代とは違う「お金の使い方や払い方」を学ぶ必要性を感じている大人も多いのではないでしょうか。 これからの子どもたちは、今よりずっと複雑なしくみの金融商品やサービスがあふれる社会を生きていくことになります。より便利になる一方で、それらを上手に使いこなし、自分の資産を自分で運用していく力も必要になってきます。また、お金にかかわるトラブルを未然に防ぐための知識や経験も必要になってきます。 「お金」や「金融」についての知識によって世の中や経済の動きを把握し、一人ひとりが自らお金を有効に使ったり運用したりすることで、自立的で安心かつ豊かな社会を実現し、ひいてはそれらの経済活動が産業や社会全体を活性化していくという、大きな視点を持つことが重要です。これからの時代を生きるために必要なお金の知識 経済やそれに大きく影響を受ける金融の動きはとても速く、日々のニュースなどを注意して見ていないとよくわからないことが多くあります。しかし気が付くと、身の回りには「金融」という言葉こそ使っていなくても、その商品やサービスを利用したものがあふれています。 野村ホールディングスは、野村證券を中心に、国内外で幅広く事業を展開している金融サービスグループの持株会社。1990年代より、小学生から社会人まで幅広い世代を対象とした金融経済教育を実施しています。金融や経済の知識を身に付けることは、公正で住みよい社会の実現にもつながっていくとの考えから、多くの役職員が教育現場で、生きた金融経済教育の出張授業を行っています。

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