金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
18/32

収入が支出を下回る18金融経済教育 お金を学ぶ 企業は、利益を上げることを目的として、継続的な計画のもとに生産、販売、サービスなどの経済活動を行います。国や地方公共団体が所有する、営利を目的としない企業(公営企業)もあります。以前公営企業だったNTTやJT、JR各社なども民営化して、現在は一般の企業として運営されています。 では企業のお金の動きをみてみましょう。 商売の基本は、「モノを仕入れて、(加工して)売る」ということで、売値と仕入れ値の差額がもうけ(利益)になります。仕入れに使ったお金のほかにも、作ったモノを売るために使ったお金(梱包・包装費、輸送費など)も売り上げから引いていきます。 会計の用語で説明しましょう。 世の中には複雑なしくみの事業を行う企業や、モノを売らずにサービスを提供している企業もあります。また、売上高だけをみるととてももうかっているようにみえても、仕入れ値や人件費がかさんでいれば営業利益は意外と少なかったりします。 同じような事業を行う企業の売上高営業利益率を比べてみてもいいでしょう。従業員数が少なければ、一人当たりが生み出す利益が大きく、効率よく稼いでいる、生産性が高いといえます。 その企業がどうやって利益を得ているか、また効率よく利益を上げているかを知るには、その企業の事業のしくみを理解することが重要です。大きな工場や設備を持っているのか、人がたくさん必要な事業なのかなど、どういうしくみで事業を行っているか、どうやって利益を上げているかがわかると、その企業が社会にどのような影響を与えているか、どのような状況に影響を受けるかがわかります(P19「事業のしくみ」参照)。企業の利益とは?企業の生産性~効率よく稼いでいるか?知ってる? 一般的に、収入が支出を上回ることを「黒字」、逆の場合を「赤字」といいます。企業の業績をみる場合、営業利益、経常利益、当期純利益の3つの利益を判断の基準にしますが、新聞などで見かける「最終赤字」という表現は、最終的に企業に残ったお金、「当期純利益」のことを指すので、これがプラスであれば「黒字」、マイナスになった場合に「最終赤字」といいます。前年よりも利益が減っていても、利益の額がプラスであれば赤字とはいわず、「減益」といいます。

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る