金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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15 「金融」には、金融機関を通すやり方と通さないやり方の2通りがあります。 企業や個人が銀行からお金を借りる場合は、銀行を通じて預金者から“間接的に”お金を借りていることになるので、「間接金融」といいます。どれくらい貸すかという判断は銀行が行います。 一方、会社が株式や債券を発行して、市場の投資家から“直接”お金を集めることを「直接金融」といいます。どの株式や債券を買うか(どこに投資するか)という判断は投資家自身が行い、証券会社はそれを証券取引所に仲介する業務を請け負っています。 日本ではもともと会社の資金調達は、銀行からの融資をメインにした「間接金融」が主流でしたが、1980年代後半くらいから、さまざまな規制緩和によって「直接金融」へシフトしています。 銀行のおもな利益は「利ざや」です。個人や企業に融資した金利と、預金の金利の差額が銀行の利益になります。このほかに、振込手数料や決済手数料など、銀行口座を利用した取引にかかる手数料も銀行の利益となります。 証券会社のおもな利益は、取引の際に投資家(顧客)から受け取る「手数料」です。顧客から株式などの売買の注文を受けて、それを証券取引所に仲介する業務(ブローカー業務)では、投資家から売買ごとに受ける手数料が収入となります。証券会社は以下のような業務によって収益を上げています。・ブローカー業務…投資家から受けた株式などの売買注文を、流通市場に取り次ぐ業務。・ディーリング業務…証券会社自身の資金を運用する業務。運用益を得る。・アンダーライティング業務…株式を発行した企業から株式を買い取って、投資家に売る業務。・セリング業務…企業が発行した株式を一時的に預かり、買ってくれる投資家を探す業務。 保険会社は、保険の加入者から集めた保険料の一部を収益とし、残りの大部分を将来の保険金の支払いに備えて積み立て、運用しています。保険会社は長期で大きな資金を運用する「機関投資家」でもあります。社会のしくみとお金の役割【ブローカー業務(株式売買の仲介業務)】

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