金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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役割お金を預かる(預金・貯金)お金を貸し出す(融資)お金を送る、決済する(送金、決済)業務内容お金を預かり、利息を支払う。お金を必要とする個人、企業、自治体などに利息を付けて貸し出す。口座から口座への送金、振込みなどの支払いの決済、クレジットカードなどの支払いの決済(口座からの自動引き落とし)などを手数料を取って行う。利用者のメリットお金が安全に保管・管理される。国や会社が必要な資金を借りられる。現金の受け渡しに伴う手間や危険を省く。離れた人とも取引ができる。14金融経済教育 お金を学ぶ 金融とは文字通り「お金を融通すること」です。金融機関は、お金の多いところから少ないところへ、余分にあるところから必要としているところへ、お金がうまく回るようにする役割を果たします。一般的には、預金(貯金)を集めて、融資を行う銀行や信用金庫が身近な存在ですが、広い意味ではお金を扱う証券会社や保険会社も含まれます。 銀行には次の3つの役割があります(右表)。 銀行が行う事業は法律(銀行法)によって細かく定められています。その第1条に「この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする」とあり、銀行の機能が金融や経済の基本であることがわかります。 日本の中央銀行である日本銀行の役割は次の3つです。①発券銀行…紙幣(日本銀行券)を発行する②政府の銀行…政府が国民から集めた税金などを預かり、国が行う公共事業に使うお金を払ったり、公務員への給料などを支払ったりと、国のお金の管理をする③銀行の銀行…市中銀行から預金の一部を預かったり、お金を貸し出したりする 日本銀行には、個人や一般企業は口座を開くことができません。市中銀行(個人や企業が取引をする銀行)の余ったお金を預かり、不足している市中銀行へ貸し出して、市中に出回るお金の量を調整しています。知ってる?日本銀行の仕事 日本の銀行の起源となる両替商は室町時代から始まり、江戸時代に発展しました。金銀(小判や丁銀)を手数料を取って交換(売買)する両替業務をはじめ、大名の江戸屋敷への送金を請け負ったり、資金不足のときに貸し付けをしたりするなど、金融業務も行っていました。現在、地図上で銀行を表す記号は、江戸時代に両替商がてんびんを使って金銀を量るときに使った分銅がもとになっています。

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