金融経済教育 お金を学ぶ 社会のしくみとお金の役割
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※ここでは国民健康保険、年金保険、労働保険などの公的な保険制度ではなく、民間の保険会社が提供する保険について説明しています12金融経済教育 お金を学ぶ 銀行や証券会社、保険会社で扱う商品を金融商品といいます。銀行に預ける普通預金や定期預金も金融商品の一つです。金融商品には「安全性」「流動性」「収益性」という3つの性格があります。 安全性が高く(元本が保証されていて)、流動性がよく(便利で)、収益性が高い(もうかる)というすべてを兼ね備えた万能な金融商品は残念ながらありません。安全性が高いものはたいてい利息が少なく、収益性が高いほど簡単には引き出せなかったり、時には元本割れをしたりということがあります。どの商品がどういう性格を持っているかを知って、自分の目的に合った商品を選ぶことが大切です。 金融機関にお金を預けることを「預金」または「貯金」といいます。預ける先によって預金と貯金という用語を使い分けています。 預金には普通預金、貯蓄預金、定期預金、積立預金などの種類があります。 当座預金は企業や個人事業主が業務上の支払いに利用する無利息の預金で、現金の代わりに小切手や手形で支払いをする際に活用します。一般に預金・貯金は安全性、流動性が高い(元本割れがなく、出し入れしやすい)金融商品です。 保険は将来発生する事故や災害、病気などによって生じる財産上の損失を保障するものです。多くの人が保険料(掛金)を出し合って資金をつくり、損害が発生した場合に所定の条件のもとに、指定された受取人に保険金が給付されます。支払った保険料が戻ってこない「掛け捨て」のタイプと、保険料の払い込みが終了するまで何事もなかった場合に満まん期き返へん戻れい金きんが戻ってくるタイプの保険があります。 また、あらかじめ満期を決めておいて満期保険金を受け取る貯蓄型保険もあります。養老保険や個人年金保険、学資保険などがこれにあたります。 金融機関などからお金を借りる場合には、その人がきちんと借りたお金を返せるかどうかという「能力」について「審査」があります。その結果によって、どれくらいの金額を貸すかという枠が決められます。その枠は、その人に対する信用の範囲を金銭的に決めたものです(与信枠)。銀行からお金を借りる場合に比べて、消費者金融などの比較的少額のキャッシングローンは審査のハードルは低いのですが、その分銀行に比べて金利が高く設定されています。 借金という感覚はあまりないかもしれませんが、クレジットカードによる支払いは、一時的にクレジットカード会社が支払いを負担し、後日カード会社に返済するというしくみで、短期の“借金”であり、しかも無担保であるため、カードの申し込み時に返済能力や資質が審査生命保険死亡時、もしくは保険の満期時に生存していた医療保険一定の傷病の治療にかかった医療費を補てんす損害保険る場合に保険金が支払われる偶然に起きた災害、けが、盗難、損害賠償責任などの損害を補てんする。火災保険、地震保険、自動車保険、旅行保険、傷害保険など預金銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫貯金郵便局(ゆうちょ銀行)、農業協同組合(JAバンク)、漁業協同組合万能な金融商品はない、ということを念頭になじみ深い「預金・貯金」さまざまな“もしも”のための「保険」金融機関が与える信用の範囲(与信枠)〈個人向けのおもな保険商品※〉

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