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温室効果ガスの排出権取引

2007年11月16日

まな坊

このあいだ地球温暖化の話をしたけど、あれから環境にやさしいこと、続けてる?

まな子

もちろん!冬に暖房をたくさん使わなくても過ごせるように、家族で知恵を絞っているところよ。それにしても、まな坊、環境問題にすごく熱心よね。

まな坊

うん、いろいろ勉強してる。塾で一緒のまな本くん、お父さんが商社なんだって。このあいだ遊びにいったら、仕事のこと、たくさん話してくれたんだよ。

まな子

まな本くんのお父さんの仕事って、環境に関係あることなの?

まな坊

うん!地球温暖化の原因だと考えられているのは温室効果ガスなんだけど、温室効果ガスを排出できる権利を「排出権」って言うんだって。まな本くんのお父さんは、その「排出権」を取引する仕事をしてるんだよ。

まな子

「排出権」の取引!?なんのことだか全然わからないよ〜。

まな坊

いま世界的に温室効果ガスを減らす動きが活発だけど、「京都議定書」っていう取り決めで、「先進国などは、ガスを出す分量はこの枠まで」という目標が与えられたんだよ。

まな子

日本の目標も決められているの?

まな坊

うん。2008年から5年間にわたって、削減の目標を実行しないといけないんだけど、達成するのはかなり難しいらしい。

まな子

えー。できなかったら大変だよね。

まな坊

それで「京都議定書」では、ガスの排出量を目標の範囲内に収めることができた国や会社は、あまった「排出権」を売ってもいいことにしてくれたんだよ。

まな子

・・・?

まな坊

排出量を減らせないところは、権利を買って排出できる枠に追加できるってわけ。
まな本くんのお父さんのたとえ話では、テストで制限時間内に問題が全部解けなかった人が、早く終わって時間があまっている人から、あまった分を買って使うようなイメージなんだって!

まな子

すごいアイディアね。テストはありえないけど(笑)・・・わかってきたわ。

まな坊

銀行とか、証券会社も「排出権」の取引に関係した新しい取り組みを始めていて、「これから興味を持つ人が増えて、取引がさかんになるぞ」って、まな本くんのお父さんが言ってたよ。

まな子

へぇ〜。こういうものも、取引になるなんて、すごいなぁ。
私ももっと勉強しなくちゃ!

解説

前回、地球温暖化の原因になっている温室効果ガスについてふれましたが、「排出権」とは、温室効果ガスを排出する権利のことです。
先進国に温室効果ガス排出量の削減を義務づけている「京都議定書」が2005年2月に発効されましたが、そこで「排出権の取引」の導入が定められました(京都議定書には、主な排出国である米国、中国、インドは調印していません)。

日本は京都議定書において、温室効果ガスを「2008年から2012年までの5年間で、1990年度から比べて6%排出量を削減する」という約束をしています。ところが、先日発表された2006年度の排出量では、1990年度の水準を6.4%上回っており、目標を達成するのは困難との見方がでています。

政府はこれまで、それぞれの会社に削減の目標値の設定せず、日本経団連などが自主行動計画を決めて、これを守っていく形で活動していましたが、2008年からは削減の約束期間に入るため、この問題の議論は高まり、排出権の取引への関心が高まることが予想されます。

このことをにらみ、さまざまな会社が新しいビジネスを考案しています。
温室効果ガスの排出量が多い電力会社や鉄鋼メーカーなどは、商社などを通じて排出権を大口で購入するケースが多くありました。
今後、もっとニーズが増えるとみて、中小企業などが小口でも取引できるように商品の開発が進められ、すでにいくつかの金融機関が、排出権の取得や仲介を行うビジネスを手がけています。
インターネット上で、排出権を売りたい企業がその内容を公開して、興味をもった買い手と交渉して取引ができるシステムも構築されています。

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