先駆者たちの大地

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三井金属鉱業株式会社

1999年〜 本社移転、そして新生三井金属へ

電子材料でトップシェアを獲得
ここで、主要な電子材料事業をいくつか見てみよう。筆頭となるのが銅箔である。パソコン、携帯電話をはじめ、今やあらゆる電子製品、電気製品に欠かせない半導体の基板に使われる素材が銅箔だ。三井金属が銅の川下製品として銅箔の製造に進出したのは、1967年と意外に古い。しかしその甲斐あって技術開発の最先端を走り続け、半導体製品の発展とともに進化を続けてきた。今や販売シェアの40%近くを占める世界のトップメーカーである。
銅箔の延長線上にあるのがTAB(Tape Automated Bonding)テープである。TABは、銅配線されたフィルムに、ICチップを連続して一括ボンディングする実装方式のこと。さまざまな電子機器に使われるが、なかでも液晶駆動用のTABテープは需要が急増している。典型的な多品種少量生産の製品で、技術革新も早く、製品と生産設備のライフサイクルは非常に短い。このため新規参入が難しく、三井金属は国内の液晶駆動用TABテープ市場で60%以上のシェアを占めている。
特筆すべきもののひとつが電池材料だ。三井金属は、世界最大の電池材料メーカーでもある。乾電池の材料となる電解二酸化マンガンの製造を始めたのは1949年、戦後まもなくの頃である。そこから、電池メーカーとともに材料や技術の研究を進めてきた。さらに今後の需要拡大が見込まれているのが、トヨタのハイブリッドカー「プリウス」にも採用されたニッケル水素電池である。三井金属はその材料となる水素吸蔵合金を製造している。

銅箔の写真
プリント基板に使用される銅箔。すでに厚さ3ミクロンのものが生産されている
液晶駆動用TABテープの写真
国内60%のシェアを占める液晶駆動用TABテープ
各種電池材料の写真
各種の電池材料も生産している

本社の写真
「ゲートシティ大崎」の本社

1999年1月、三井金属は伝統ある日本橋の三井本館から、旧大崎工場跡地に建てられた「ゲートシティ大崎」へと本社を移転した。名実ともに新生三井金属のスタートである。これまでも、非鉄製錬事業から電子材料への移行は徐々に行われてきたが、2001年度からの中期3カ年計画のなかでは、「電子材料をコアに据える」と、ついに明言されるにいたった。冒頭に記した神岡鉱山の亜鉛・鉛鉱石の採掘中止は、やはり、ひとつの時代にピリオドを打ち、新しい時代に歩を進める強い決意を象徴する出来事であった。
現在の三井金属は、銅箔事業本部、MC事業本部、機能材料事業本部、金属事業本部、部品事業本部、そして、関連事業本部の6つの事業本部制をとっている。さまざまな分野で成功を収め大きなシェアを占めてきたのは、非鉄製錬事業で蓄積された技術や経験を生かし、トップシェアが見込める分野に投資を集中した結果である。とはいえ、IT関連業界はご承知のとおり世界的な不振に陥っている。いかにこの状況をクリアしていくか、市場においてIT関連株へと変身した三井金属にとっても、ここが正念場である。

IRマガジン2001年9-10号 Vol.51 Vol.55 野村インベスター・リレーションズ

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