岐阜県の飛騨山地に、養老年間から採掘していたといわれる神岡鉱山がある。明治以降、産業の近代化に貢献してきた、日本を代表する非鉄金属鉱山だ。ここが、三井金属発祥の地であり、ひいては三井財閥の屋台骨として、なおかつ主力事業所として、その発展を支えてきた、いわば三井の聖地である。2001年6月30日、この日、三井金属は神岡鉱山での亜鉛・鉛鉱石の採掘を中止し、その長い歴史にピリオドを打った。今後は、東京大学宇宙線研究所が素粒子実験のための施設として空間利用するほか、石灰などの小規模な採掘は続けられるが、亜鉛・鉛鉱石の採掘中止は、鉱山としての活動はほぼ幕が閉じられたことを意味する。経済環境の変化という要因はもちろん大きい。しかし、三井金属が自ら発祥の地を封印したことは、それ以上に、ある決意を感じさせる出来事であった。
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| 三井金属発祥の地、神岡鉱山 |
IRマガジン2001年9-10号 Vol.51 野村インベスター・リレーションズ