2005年5月、Panasonicブランドのプラズマテレビが日米欧の1万店を超える販売店の店頭に並んだ。世界中、同じタイミングでの「ビエラ」最新モデルの華々しいデビューである。
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| 「ビエラ」の新製品発表会。 日米欧で華々しいデビューを飾り、世界のPanasonicとなった |
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| 4つの放送(地上・BS・110度CSデジタル、地上アナログ放送)に対応したデジタルハイビジョンテレビ「ビエラ」 |
プラズマテレビをはじめとするデジタルAV商品は、商品ライフサイクルが短くなっており、新製品の市場導入の遅れは収益機会の損失につながる。そこで松下電器は、新製品を世界で同時に発売し、短期間で一気に高い占有率を獲得することにより、売り上げと収益の最大化を図るという、世界中を視野に入れたマーケティングを行っている。そのためには発売時点での認知度をピークに持っていく必要があり、生産部門と、宣伝、販促部門の綿密な連携による周到な準備が必要となる。加えて世界同時発売となると各国の事情に即した製品を同時に生産し供給しなければならず、特にテレビは日米欧でそれぞれ放送方式が異なるうえ、アナログ放送、デジタル放送が混在しており一度に開発を進めることは容易ではなかったはずだが、松下電器はテレビメーカーとして史上初めてこれをやってのけた。
2001年度に創業以来最大となる連結純利益ベース4,278億円の赤字を計上した松下電器にとって、「ビエラ」最新モデルの世界デビューは復活の狼煙であった。それだけではない。このマーケティングには、松下電器の変革とは結局何か、それを解き明かす重要なキーが含まれている。
IRマガジン2006年春号 Vol.73 野村インベスター・リレーションズ