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学校との取り組み 中学生編「街のTシャツ屋さん」活用事例

「『街のTシャツ屋さん』を使って企業企画案作成・発表」

齋藤行弘先生

江東区立第二砂町中学校
社会科担当 齋藤行弘先生

2012年12月3日、江東区立第二砂町中学校にて『街のTシャツ屋さん』を活用した授業の様子を取材しました。この日は「会社を作って社会に貢献しよう!」、をテーマに約1ヶ月で完結するプログラムの最初の授業です。

ねらい

  • ・価格のはたらきに注目して市場経済の基本的な考え方を理解する。
  • ・生産の仕組みのあらましや金融のはたらきを理解する。
  • ・起業の意味や企業の社会的責任について考える。
  • ・職業の意義と役割、雇用と労働条件の改善について考える。

授業の流れ

  • (1)『街のTシャツ屋さん』を用いて、この単元の授業の流れをつかむ。「こんなお店をやってみたい、こんな商品やこんなサービスがあったらいいな、そんな商品やサービスを提供する会社を作ってみたい。」という思いを具体化する。
  • (2)自分の授業計画を友達にきいてもらい、事業計画を修正する。
  • (3)各自の事業計画を班内で発表し、班で行う事業の計画を作成する。
  • (4)価格のはたらきに注目して、商品やサービスの価格を決定する。
  • (5)生産の仕組みや、資金調達の方法や規模の拡大について考える。
  • (6)企業の社会的責任について考え、また求人広告を作成する。
  • (7)企業設立発表会を行い、どの企業に期待がもてるかを投票し、まとめを行う。

授業の様子

■授業のテーマ 「会社を作って社会に貢献しよう!」

授業風景

『街のTシャツ屋さん』が授業の最初に配られ、起業の章(P.4)を読んだあと、生徒にまず、自分自身で会社を起こすとしたら、どんな会社を作ってみたいか、ワークシートに記入してもらいます。

ワークシート

生徒が考えている間、斎藤先生は、頭を抱えて何もかけないでいる生徒に対して、「そんなに難しく考えなくてもいいんだよ、最近何を自分で買った?それはどんな売り方をされていたかな?」、「君、塾へ行っているよね、塾を経営してみたいと思ったことない?」など問いかけ、自分の身近なことから起業についてのアイデアを浮かばせるようにフォローをしていました。

授業風景2

次に生徒は、自由に席を移動して、できるだけ多くの友達に自分のアイデアに対する意見をもらいます。生徒は、起業する際にとても大事なマーケティングを学びます。

ワークシート2

最初は戸惑っていた生徒も、授業の終わりにはたくさん友達からの意見をもらい、ワークシートを埋めていました。

生徒たちは最終的には、企業企画書を作成し、発表します。企業企画書には、事業内容のほか、従業員の給料等も決める財務戦略や、企業の社会的責任、実際の求人広告を参照して求人広告まで記入します。
最後の授業では、それぞれの会社の求人広告を基に、「どの会社で自分は働きたいか?」という投票をクラス全員で行います。

生徒作成の企業企画書(※画像をクリックすると拡大します。)

「お洋服屋」

「お洋服屋」

「本屋+出版社」

「本屋+出版社」

「全身コーディネイトができる店」

「全身コーディネイトができる店」

斎藤先生は、長年にわたり、社会についての興味を生徒に喚起するため様々なアプローチを取り入れた授業を実施されています。『街のTシャツ屋さん』を用いた今回のプログラムは2年前から行っており、起業をアイデアだけにとどまらず実際に企画書を作成することにより、起業について深く学んでもらいたいと話されていました。

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