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リスク許容度

2007年6月1日

あなたは今、ゴルフをプレーしているとします。今日は調子よく、最後の18番をボギーで上がっても、待望の80台のスコアになりそうです(パーは72)。自信満々で最後のティーショットを打ちました。ところが肩に力が入ったのか、無情にもボールは左へ大きく曲がり、林の中へ吸い込まれてしまいました。ボールを探して林に入ると、あなたのボールは林の中ですが、幸い、ボールの前方に1メートル幅の空間があり、うまく打てばフェアウェーに出せるかもしれない、というポジションにありました。うまく林から出せれば、第3打でグリーンを狙えそうです。もっと確実な方法は、3メートル幅以上ある真横にひとまず出して、グリーンを狙うことです。でもそれでは、グリーンまで距離をたっぷり残しますから、恐らく第4打でグリーンにのりそうです。

ゴルファーならだれしもこんな経験をお持ちでしょう。どちらの選択を取るかは周囲の状況にもよりますが、あなたの腕に大いにかかっています。タイガー・ウッズならずとも、腕の良いゴルファーであれば、前方1メートル幅の空間を高い確率で抜けることができるでしょう。しかし、あなたがまだまだ腕に自信のないゴルファーであれば、安全に横へ出していく方が、待望の80台に近づきます。つまり、どれだけのリスクを取れるかはあなたの腕次第によります。

投資運用の世界では、高いリターンを上げるにはそれなりのリスクを取る必要があります。だれしもリターンは高いに越したことはありませんから、それなりのリスクをとってでもリターンを高めたいと考えます。問題はあなたがどのくらいのリスクまで取れるかです。

ゴルフの場合はあなたのゴルフの腕次第ですから、ハンディーという一つの尺度で判断することも可能でしょう。投資運用にはゴルフのハンディーのような基準はありませんから、どれだけのリスクを取ってよいのか、すなわち、リスク許容度を測ることは簡単ではありません。ポートフォリオのリスクを考える場合、長期的には株式は債券よりも高いリターンが期待できますから、あなたのリスク許容度が高ければ株式の比率は高まります。問題はどこまで株式の比率を高めても良いかです。ある一定の前提条件を入れることによって統計数理的に答えを出すことは出来ますが、個人投資家にとってこれは至難の業といえましょう。

そこで統計数理的な手法に代わって、いくつかの質問に答えながら、あなたのリスク許容度を、株式と債券の組入れ比率で示すモデルが、いろいろな運用機関から提供されています。これを利用するのが簡便なのではないでしょうか。これらのモデルで見られるように、どれだけのリスクまで取れるかは、投資の期間や、あなたがどれくらいのリターン変動に耐えられるか、あなたの年齢等によって異なります。多くの条件は所与のもので、あなた自身でコントロールできません。しかし、あなたがご自身でコントロールできるものがあります。それは投資についての知識です。この知識が高ければ高いほど、ある程度のリスクを許容できます。これを示す良い例は機関投資家と個人投資家の違いです。機関投資家は十分な専門知識を持ったスタッフを数多く抱えて、常時、資本市場を分析しています。個人がこれに対抗することはほとんどできません。しかし、個人も、様々に公開されている情報を十分に調べて、少しでも知識を広めることは可能です。このように努力することにより、リスク許容度を高め、結果的により高いリターンを上げることができます。

ゴルフでも練習を積めば腕も上がり、困難な状況下に置かれた場合でも、そこから脱出する選択肢を広げることができるように、投資運用でも少しでも勉強し経験を積めば、よりよいリターンが上げられるはずです。かんばりましょう!

経験を積んで、リターンを高めよう!

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