資産運用ABC

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リターンとリスク

2007年10月18日

AさんとBさんは同じゴルフクラブに所属するゴルフ友達で、月に一度は一緒にプレイを楽しむ仲です。目下二人ともハンディキャップは22で、平均すると二人ともワンラウンド90前後の成績ですが、Aさんは毎回88〜92のスコアで回り、滅多にOBもしません。一方、Bさんはナイスショットをするとドライバーは230ヤード前後飛ばすロングヒッターですが、時々打球が大きく曲がりOBとなる事もあります。従って82〜98とスコアの振れが大きいのが特色です。皆さんはどちらのプレーヤーが「うまい」と思いますか? ゴルフは「18ホール終わってのスコアが大切」と言われますから、Aさんの平均ストロークが90、Bさんの平均ストロークが90で、平均ストローク数が同じであれば、結果は引き分けということになります。

投資運用の世界では事情は違ってきます。再びAさんとBさんに登場していただきます。お二人ともに将来の資産形成を目指して長期投資をしているとしましょう。二人ともに国内株、国内債、外国株、外国債を同一の割合で組み入れた資産配分をしていますが、Aさんはすべての資産クラスをインデックスファンドで運用をしています。Bさんは少しでも高い成果(投資収益率)を上げたいと、すべての資産クラスをアクティブファンドで運用しています。投資を始めて10年が経ちました。Aさんのポートフォリオのリターンは配当も含めて年率5%でした。この間、仮に銀行の定期預金に預けていたとしますと利息は年平均0.75%でしたから、めでたし、めでたし!です。一方、Bさんは外国株のアクテイブファンドが高いリターンを上げたので、年率6%の成果を上げました。この結果をみますと、BさんはAさんに比べると、積極的な運用がそれなりの成果を上げたかに見えます。

しかしこと投資運用についてはそれほど簡単に結論づけることはできません。運用の場合にはリターンの高さは常にリスクとの兼ね合いで判断する必要があるからです。

リスクとはリターンの振れ幅ですから、通常リターンの標準偏差で測られます。上の例ではAさんは年率5%のリターンを上げるのにどれだけのリスクを取ったのかを計算する必要があります。今、仮にAさんのポートフォリオの年率の標準偏差は15%であったとしましょう。一方、同じ期間のBさんのポートフォリオの標準偏差は21%であったとします。すなわち、Aさんは5%のリターンを上げるのに15%のリスクをとり、Bさんは6%のリターンを上げるのに21%のリスクをとりました。さてどちらの成果が勝れているのでしょう?

この答えを出すには難しく言えば「リスク調整後の超過リターン」を計算しなければなりません。皆さんは「シャープレシオ」と言う言葉をお聞きになった事はありますか?この「シャープレシオ」こそがリスクを調整した運用成果を示します。しかし皆さんには少し難しいかもしれません。そこで簡便な方法として、リターンとリスクの比率を計算してみるのはいかがでしょう。AさんとBさんのケースでこの比率を計算すると、Aさんは0.333となりBさんは0.286となります。従って、軍配はAさんに上がります。言い換えれば、Aさんはリターンの割に相対的に低いリスクで5%のリターンを上げた事になります。

今回のお話は少しむずかしかったかもしれませんね。でも皆さんがより賢明な投資家になるには、このような基礎的な統計学の知識も必要になります。統計学的にみますとAさんの方が勝れたゴルファーになりますが、皆さんは賛成でしょうか?

リターンのためにどれだけのリスクをとったのか、知っておく必要があるのね。

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