資産運用ABC

目次へ

株価収益率

2007年11月21日

サブプライムローンの問題を契機にして世界的に株式市場は大きく揺れています。米国に端を発したこの問題が金融市場の国際化や証券化を通して全世界に波及してしまったのが、実情と言えるでしょう。結果として1990年の日本のバブル崩壊と同様に、世界的規模での富の収縮が起こってしまったと言えましょう。

このような事態を投資家としてはどのように受け止めたら良いでしょうか?
終値ベースで今年の7月9日に18,261.98の今年の最高値を付けた日経平均株価指数は11月19日に15,042.56まで下落し、私がこの原稿を書いている11月20日現在は15,200前後にあり、市場のムードはまだ何と無く落着きがありません。
サブプライムローンの問題の負の影響を市場が十分に織り込んだとすれば、そろそろ株は買えるのかもしれません。一方、マーケットがまだ、この問題の悪影響を十分に認識していないと考えますと、いまだ株式への投資は慎重にならざるを得ません。正直に言って私にも現時点でどちらが正しいかは分かりません。
かねてからお話しているように、市場の動きについて短期的なタイミングを予測する事は極めて困難です。従って、大切な事は、短期的な市場の動きに惑わされる事なく、長期的な観点に立って事態を観察していただきたいと思います。皆さんは20年〜30年の長期的な視野に立って資産形成を考えているのですから、投資判断の尺度もそれにふさわしいものでなければなりません。

最近株式の評価の一つの基準である予想収益を基準にした株価収益率(PER)を見てみますとピークの23倍前後から18倍前後まで下落しています。言うまでもありませんが株価収益率の計算は今後1年間の一株当たりの利益をベースにしています。 一方、長期的な視点に立って株価を評価すると、「投資家が将来にわたって受け取る配当金の現在価値の合計額」となります。これを専門用語で言いますと配当割引モデルといいます。数式で表しますと

P.V.=D/(r-g)

となります。ただし、

P.V. 理論株価
D 当期の一株当り配当金
r 割引率(株式の長期的期待投資収益率)
g 一株当り配当金の成長率(配当性向一定とすれば一株当り利益の成長率)

一方、PER=P/Eですから

P/E=(D/E)/(r-g)
     =配当性向/配当利回り

従って 配当利回り=r-g

以上の関係式を理解した上で、それぞれの項目に皆さんの想定する数字を入力してみてください。算出された数字が現在の株価と比べてどんな水準なのかを見る事は、長期的な観点から見て、現在の株価水準が果たして割安なのか割高なのかを判断する一つの目安になります。株価収益率一つを取ってみても、目先の数字だけでなく、常に長期的な視野に立って判断する事が大切でしょう。
今回は長期的視点での投資評価の考え方の一例を挙げて見ました。皆さんも頭の体操をしてみませんか。

ちょっと難しいけど、株価収益率を計算してみよう!

目次へ