資産運用ABC

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高配当株投信

2007年11月30日

一国の首相が組閣後すぐに辞任したと思うと、今度は参院選で勝利をした民主党の党首が辞意を表明する等、予想をこえた出来事が日本を揺さぶっています。
政治家もさることながら、我々一般国民は一体何を信じていけば良いのでしょう?このような状態が続きますと将来についての展望が描けなくなりますから、今現在を楽しく過ごすことに関心が集まり、刹那的な風潮が強まるのではないでしょうか?言うまでもありませんが、これは決して健全なことではありません。

将来に備えて長期の資産形成を行うはずの投資運用の分野でも似たような事が起きているように感じているのはマナ爺だけでしょうか?

その一つの例がここ2〜3年人気を呼んでいる「高配当投信」です。
最初にお断りしておきますが、私は高配当投信が悪い商品だと言っているのではありません。その仕組みと特色をよく理解して購入することが大切だ!とお伝えしたいのです。
高配当投信はその名のとおり相対的に配当利回りが高いか、または今後増配が期待できる銘柄を選定して投資をする投資信託です。基準価格の上昇による評価益の積み上げと同時に年4回程度の分配金を受け取ることができますから、依然として低い銀行の定期預金に比べて相対的に高い利回りを楽しむことができます。外債を中心とした毎月分配型の債券ファンドに比べて値上がり益(キャピタルゲイン)も狙える点が人気を呼んでいます。

ご存知の方も多いかと思いますが、1960年代〜1970年代には3%を上回り、株式の年間投資収益率の約3分の1を占めていた日本の株式の配当利回りは、1980年代のバブル経済期を通して0.7%近くまで低下しましたが、2000年代の株価の下落とその後の景気の回復に伴う企業収益の改善によって、配当利回りは東証株価指数ベースでも1.25%前後まで上昇してきました。
一方で株式の長期的な期待投資収益率はバブル期に比べてかなり低下しておりますから、配当利回りの重みは高まったといえます。同時に企業経営陣も高株価政策により資本市場から有利な条件で資金調達をしようとしますから、配当に配慮するようになって参りました。このような背景が高配当株投信の人気を高めたと言えます。
低金利時代にあって少しでも高い分配金を受け取りながら、同時に株式の値上がりによるリターンも楽しめるのですから、熟年層のみならず若年層にとっても魅力ある金融商品と言えます。

しかしこの商品にもいくつかの留意点があります。
第一は組み込まれている銘柄が今後も高い配当を維持していける保障はありません。高配当投信の中にはかなりの金融株を組み入れている投信があります。今回のサブプライムローンの問題発生により今後減配となる金融機関も出てくるでしょう。株価の下落とのダブルパンチとなることも考えられます。
第二には、分配金は課税されます。当面、資金を必要としない投資家にとってこの税金は無駄な負担と言えます。
第三に企業があげた利益の配当による外部分配は配当性向を高めますから、当該企業の成長のために必要な内部投資資金を圧縮することになります。結果として企業の自己資本利益率を低める事になり、増配が長期的に見て本当に株主にとって有利な選択なのか十分に検討する必要があります。
もちろん、その他の留意点としては、外国株を含む場合は為替リスクもあることは注意しなければなりません。

一般論としては、高配当株投信は銘柄選択が正しければ、高配当投信は成長株投信やエマージング市場投信に較べてリスクは低く、債券投信に較べて高い値上がり益を狙える商品です。が、上記留意点を十分勘案して投資の可否を決めてください。目先の分配金だけに目を奪われて決して刹那的な選択をしないで下さい。

仕組みやリスクをしっかり理解して投資しよう

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