2008年1月21日
明けましておめでとうございます。
昨年年頭の辞を皆さんにお伝えして早くも一年が過ぎました。
この間、長期資産形成のあり方をご一緒に勉強して参りましたが、少しはお役に立ちましたか?
今年はさらに研鑽を積んで参りましょう。基礎となる項目については後、数回で終わり、応用編としていくつかのケースを想定した「ケース・スタディ」を進めていきたいと考えております。できるだけ肩の凝らない内容にいたします。よろしく御願いいたします。
さて、昨年を振り返ってみますと、残念ながら官の世界も民の世界も不信だらけの一年になってしまいました。さらに地球規模で自然破壊が進行した結果、異常気象が深刻化した年でもありました。このような状況は我々個人が長期の資産形成を行う場でも無関係ではありません。人間が生きていく上での「不信の増幅」は終局的に「リスクの増幅」を呼びます。
2008年には不信だらけの状況が少しでも改善されるよう、一人一人の力は限られていますが、2007年に露呈したような不信行為を少なくするよう、努力したいものです。
2007年に起こった出来事のうち、投資運用に最も大きな影響を与えたのは米国のサブプライムローンの問題でしょう。米国の不動産価格の過大な上昇は2006年当時から指摘されており、その限りでは決して予測の出来なかった問題ではなかったと言えます。それにもかかわらず今回のような深刻な事態を招いたのは、サブプライムローンという信用度の低い債権がファンドの形で証券化され、世界的な余剰資金を受け皿として増幅された結果にあります。
同じように土地価格の投機的な上昇によってもたらされた日本のバブルでは、証券化の程度の違いがあり、その世界的な影響度は限定され、日本の金融機関のみが被害を被る形となりました。別言すれば日本のバブル崩壊による富の収縮は、日本の中で、金融機関と政府、最終的には納税者としての個人の負担で結末が着いたと言えましょう。一方、今回のサブプライムローンによる米国の富の収縮は、証券化という媒体によって全世界に広まってしまいました。スマトラ島で起きた地震が津波となってインド洋を横断し遥か彼方のインドにまで増幅された大きな被害を及ぼしたのと同じような現象を呈しているとも言えましょう。
従って、今回の問題がいつどのような形で決着が着くのかを現段階で判断するのは難しいのですが、世界経済の長期的なダイナミズムを肯定する限り、地域や産業構造の違いによって差異はあるでしょうが、いずれかの時点で世界経済は成長過程に復帰するでしょう。確かに米国の不動産価格の下落により失われた富は決して小さくはありませんが、今回は一方で原油価格やコモデティ価格の上昇により新たな富の増殖も進行しています。富の移動を通して今回の問題のマイナス部分がある程度は吸収されるかもしれません。
いろいろ考えますと、皆さんの投資運用期間が少なくとも10年を超える長期であれば、今回の変動に耐えることはできます。さらに加えれば、異なった資産に分散投資をすることによって、資産価値の変動幅、すなわちリスクを軽減することもできるでしょう。ご自分のリスク許容度をわきまえながら長期投資と分散投資の原則を守って行動しましょう。
何だか昨年のお正月にお話したことと同じような結論になりましたが、この一年間一緒に考えてきた皆さまには、「なるほど!」と納得していただけると思います。

2008年はどんな年になるのかな?今年もよろしくお願いします!
