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ご当地ファンド

2007年2月15日

最近では通信技術が発達し、新幹線や高速道路網が日本全国に張り巡らされた結果、かなりの田舎に行っても、都会とあまりかわらない情報を、時間の遅れもなく、手に入れることができるようになりました。大変便利になりましたが、反面、昔あった地方色が薄れてしまったような気がして、一抹の寂しさも感じます。アメリカのような広大な国と異なり、国土の狭い日本の場合は同質化が進みやすいとも言えましょう。

しかしながら、経済的には依然として地域格差があり、地域振興の必要性が叫ばれます。過疎化の進んだ地域を中心にして、「村興し」のために地方の特産品を育てている話もよく話題となります。地方色の存在は過疎地だけではありません。私の郷里は石川県の金沢市ですが、いかに市内が近代化されても、加賀百万石の雰囲気と風土は残っているように感じます。特にそこに住む人の気風には、やはり昔ながらの気質が強く感じられます。私が大学生の頃は東京へ出るのに最も早い急行でも10時間かかりました。今では上越新幹線と北陸線の特急電車を乗り継げば4時間余りですみます。電話やインターネットで時間差なく色々な情報が入手できます。それでも依然としてそこに住む人の昔からの気風は保たれています。確かに文化の交流や人の交流が進み同質化されてきている面もありますが、人間の心の奥深くに刻み込まれたDNAは容易に変わるものではなさそうです。

日本における地方色の存在は文化人類学的な理由だけではなく、地理的な理由もあるのかもしれません。アメリカに長年生活し日本の各地を知らなかった私は、少しずつ時間の余裕を見つけながら南は沖縄から北は北海道まで、ぶらりと旅してみました。そこで体験したのは日本の国土は狭いながら、南北に細長い国だとの実感でした。つまり気候風土には面積の狭さ以上に違いがあることです。この事実は社会的にも経済的にも地域差を生む一因になっているのではないでしょうか?

最近、投資運用でも「ご当地ファンド」が登場しています。「ご当地ファンド」とは、ある特定の県や地域の企業に投資する投資信託です。上記のとおり日本でも地域により特色のある産業や企業が残っている以上、日本全体の同質化が進んでいてもご当地ファンドの意義はあると言えましょう。国際分散投資でも近年、世界経済、特に先進国経済の同質化と同期化が進み、国際分散投資の効果が薄れているのではとの懸念もあります。しかし現実には今なお、世界各国の経済には違いがあり、国際分散投資にはポートフォリオのリスク削減効果があるとみられます。

ただし、ご当地ファンドの場合は、留意すべき点もあります。ある特定の地域の産業や企業に集中的に投資しますから、必ずしも十分な分散投資とはならない場合もあります。従ってファンドに組み込まれた株式が日経平均や東証株価指数以上に値上がりする可能性もありますが、相場の局面によっては逆の結果をもたらすこともあります。特にあなたがその地域の企業に勤めている場合、地域と勤め先企業が伸びて高いリターンを上げる可能性もありますが、逆に、給料も下がり、リターンも下がる、というダブルのリスクを抱えてしまう場合もあります。または、あなたの投資するご当地ファンドは、あなたがご自分のポートフォリオに組入れている他の資産との相関関係が低く、分散投資の効果を高めることができるかもしれません。

以上述べてきましたように、世の中がいかに進歩してきても、地域特性は残ると思いますから、郷土愛に燃えながらご当地ファンドにそれなりの投資をすることは、長期の資産形成の立場からも1つの正しい選択肢と言えます。でも、あくまでも、あなたのリスク許容度の範囲内で投資することを忘れずに!

投資の選択肢のひとつに、ご当地ファンドも入れておこう

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