資産運用ABC

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ファンド・オブ・ファンズ

2007年9月5日

日本経済も成熟期に入ってきたあかしでしょうか、最近ではいろいろな業界で経営統合や買収が行われるようになりました。先日も百貨店業界の老舗三越と若い世代の顧客層をつかんでいる伊勢丹の経営統合が報じられました。確かに両社の顧客基盤は異なりますから、単に経営基盤の拡大が見込めるのみならず、今後の消費構造の変化に伴う経営リスクを抑えることになり、成功すれば経営基盤の改善を通して、両社の株主にとっても好ましい結果になると思われます。近年の小売業界を見渡しますと、従来の百貨店業界が伸び悩み、スーパーマーケットやディスカウントストア、さらには無店舗経営による通信販売業界やインターネットでの販売、ないしはこれらの組み合わせと言えるような新しい販売形態が大きく伸びております。当然のことながら、小売業界の新しい経営形態は今後ますます従来の枠を超えた現象を生み出していくことでしょう。経営者は従来の枠組みを超えた発想のもとに、企業の成長と同時にリスクをコントロールしていくことが求められます。

投信業界で最近注目を浴び大きく伸びている商品の一つに「ファンド・オブ・ファンズ」があります。その名のとおりいくつかの投信(ファンド)を組み合わせた商品です。これにはいろいろな内容のものがありますが、一番基本的な商品は、株式・債券を組み合わせたもので、それぞれ国内と海外のものが適宜含まれています。今までにこのコラムでもご説明してきたように、株式と債券の価格は逆の動きをすることがありますから、このような複数のファンドの組み合わせ商品は全体のリスクをコントロールする性質があります。また複数の国の株式や債券を含みますから為替リスクをある程度抑えることもできます。さらにはそれぞれ組み入れるファンドは必ずしも一つの運用会社のものである必要はありませんから、それぞれの分野で最良のファンドを選定し、高い運用成果を享受することもできるかもしれません(これを「マルチ・マネジャー・ファンド」と言います)。ファンド全体のリスクをみても、非常に保守的なファンド選択をしているものから、ヘッジファンドのようにハイリスク・ハイリターンを狙ったものまであります。

このように見てまいりますと、ファンド・オブ・ファンズは大変に使い手のいい、便利な商品のように見受けられます。答えはイエスですが、いくつか留意すべき事項もあります。まず第一にコストです。ファンド・オブ・ファンズを購入する投資家は、そこに含まれるファンドの信託報酬を負担し、かつファンド・オブ・ファンズそのものの信託報酬や販売手数料を負担しなければなりません。もちろんファンド・オブ・ファンズには上記のような利点がありますから、投資家が得る利益との兼ね合いで、それだけのメリットが十分あればコストが高くてもいいでしょう。様々な資産に十分分散して投資することは、個人にとって大変な労力と知識が必要ですから、ご自身の事情をよく考えて判断することが大切です。

次に、ファンド・オブ・ファンズは既製商品ですから、ご自分の固有の投資目的とリスク許容度に必ずしも合致しないかもしれません。場合によってはファンド・オブ・ファンズだけに頼らず、個別の資産に投資するファンドを別途購入する必要があるかもしれません。最近では同じ資産の組み合わせのファンド・オブ・ファンズでもリスク水準を変えるため含まれるファンドの組み入れ比率を変えたファンド・オブ・ファンズも提供されていますから、この点も考慮されることをおすすめします。

小売業界の経営統合や合併に見られるように、自分のおかれた立場とこれからの世の中の変化を良く考えてファンド・オブ・ファンズを利用しましょう。ファンド・オブ・ファンズは利用の仕方によっては、投資の初心者から上級者まで幅広い用途と効用がある商品と言えます。

メリットとデメリットをしっかり理解して判断しなきゃいけないんだね。

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