2008年5月27日
約1年半にわたり、長期投資の基本的な知識といくつかの金融商品について勉強して参りました。これからは、学んだことをベースにしながら、いくつかのケーススタディーを考えていきましょう。自然科学の世界と異なり、社会科学の分野に属する投資運用の解答は一つとは限りません。したがって、これからご紹介するケーススタディーはあくまでも一つのヒントに過ぎません。皆さんはご自身の経験や現在置かれた状況に基づいて、ご自由に判断してください。ここで大切なのは、身につけた知識を駆使して合理的に問題解決をしようとする姿勢です。いろいろ考えるきっかけにしてください。
※これからご提示するいろいろな計数や予測は、あくまでも仮定の数字や事象であり、将来起こることを保証するものではありません。
Aさんのプロフィール:
現在35歳。大手電機メーカーの係長。結婚して子供2人。
年収は約700万円。他に奥さんのパート収入が年間で約150万円。国と会社の年金は65歳退職時に月額約40万円が支給される見込みだが、保障はない。退職一時金は予想で約1500万円。
「65歳まで働くとすれば30年間はある。緊急時に備えての保険料、子供の教育費、その他手元の現金は家内の収入を当てよう。」とAさんは考えました。30年先を予想することは大変むずかしいことですが、Aさんは定年退職時に3000万円の金融資産を保有したいと考えました。退職一時金を1500万円としますと、1500万円を蓄える必要があります。
「よし、やれることから始めよう。」奥さんとも相談して、まずは月に1万円ずつ積み立てることにしました。将来収入が増えれば積立額を増やしていく予定です。
どちらかと言えば保守的なAさんですが、ターゲットは30年先にあり、奥さんの内助の功もあって緊急時の備えもありますから、当面は運用成果がマイナスに振れても、長期的なリターンを高めることを優先的に考えることとしました。そんな観点から、Aさんはリスクも高いがリターンも高いとみられる株式にウエイトを置き、リターンを高めるために為替リスクを取ることも決断しました。この結果、4つの基本的な資産区分を選び、内外の株式に70%、債券に30%を、同時に外国株式と外国債券に合計40%を割り振りました。投資運用について知識があまりないAさんは、比較的コストの低いインデックス・ファンドを運用商品として選びました。
子供の教育費や住宅ローンの返済に追われるAさんは、最初の10年間は毎月1万円、次の10年間は毎月2万円、最後の10年間は収入も増え、毎月4万円を積み立てたいと考えています。
この計画を要約しますと次の通りとなります。
| 30年間の積み立て元本合計 | 840万円 |
|---|---|
| 毎月の積み立て元本の資産配分 | 国内債18%、国内株42%、外国債12%、外国株28% |
| 30年後の目標時価総額 | 約1,500万円 |
さてこの運用計画をどのように評価したら良いでしょうか? 次ページから考えて見ましょう。

具体的な例で考えていこう!
