資産運用ABC

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物価変動リスク

2008年2月4日

2000年以降ほとんど変化の見られなかった日本の消費者物価でしたが、最近の急激な原油価格の上昇に伴い、ようやく上昇しはじめました。一方で経済の実態は必ずしも力強いものとは言い切れず、何となく不安定な状態にあるのが日本経済の現状のようです。景気が低迷しながら物価だけが上昇するようなことがあれば、いわゆる「スタグフレーション」を招きかねません。バブルが弾けて以来、日本ではインフレの脅威は無視され、むしろデフレの脅威が問題視されてきました。適度な物価上昇は景気の強さとして歓迎さえされてきていたようです。本当にそうなのでしょうか?

高い経済成長を達成した1980年代、それに続くバブル崩壊期の1990年代、そして不安定ながら緩やかな回復期を経験した最近の数年間の過去30年の日本の消費者物価上昇率は平均しますと年率約1.5%となっています。従って皆さんが長期の資産形成を目指して年率5.0%の投資収益率を上げたとしても、物価上昇による目減りを差し引きますと、実は実際には3.5%のリターンに留まった事になるのです。

将来のインフレ率を予測する事は大変に困難な事です。特にマナ爺はエコノミストではありませんから、皆さんを混乱させるようなインフレ率の予測は差し控えましょう。大事なことは皆さんが老後の必要資金を計算されるときに、現在の貨幣価値でいくら必要と考える際に、必ず将来の時点までのインフレ率を加えることです。例えば、皆さんが今後30年後に3,000万円の老後資金が必要だとしましょう。今手許に1,500万円の資金があるとします。30年間で2倍に増やしたとしてもその間の物価上昇分はカバーされません。仮にこの間のインフレ率が1.5%としますと、物価上昇による資産価値の目減り分をもカバーするには年率(複利)で3.87%(*)の投資収益率を上げなければなりません。

*:物価上昇がないと仮定しますと、元本が30年間で2倍になるには複利で年率2.337%のリターンを上げる必要があります。これに1.5%の年率インフレ分が加わりますと、複利計算では1.02337X1.015=1.03872 となります。

一般に株式投資はインフレに対するヘッジ力が強いと言われます。過去の長期的な記録を見てみますと、その可能性は他の資産に比べて高いかもしれません。しかし皆さんもお気づきのとおり、株式投資はリスクも高く、リターンの振れも大きいので注意が必要です。言い換えれば、あなたのリスク許容度との兼ね合いが重要になります。特に年齢が高く、資産形成の最終段階にある方は、リスク許容度が低くなりますから、この点を十分考慮しなければなりません。

インフレに備えるという観点から魅力的な金融商品として、物価連動債があります。リターンは株式投資に比べて低いと予想されますが、リスクも株式投資に比べて低くなりますから、インフレヘッジの観点からは一考の余地があるでしょう。最近では国内の物価連動債を組入れた投信の他に、世界の主要国の物価連動債を組入れた外国債ファンドもあります。もちろん、外国債ファンドの場合、為替リスクがありますから、この点注意が必要です。さらに、あなたがヘッジしなければならないのは日本のインフレですから、海外主要国の総括的なインフレ率が日本のインフレ率を上回る事が必要です。また、株式に比べて物価連動債のリターンが低いとすれば、物価連動債を組入れる以前に株式等でやや高めのリターンを上げる事も資産形成の目標額達成には必要となりましょう。年金生活者にとっては退職後のインフレも大きな脅威となりますから、老後の期間のインフレを加味した計算が必要となります。

以上のように、資産運用を考える場合にはインフレについて十分な配慮が必要です。よって、インフレ率は低いに越した事はありません。

インフレは資産運用に大きな影響を与えるんだね。

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